法人税法上、長期大規模工事に該当する工事は、赤字工事でも工事進行基準を適用することになっているが、これに該当しない10億円未満の工事で赤字工事になった場合は、工事進行基準を適用できなかった。しかし、平成20年の改正で10億円未満の工事であっても、赤字工事につき、工事進行基準を適用できるようになった。つまり、損失の先出しができることになったわけである。

この場合に、当該工事に係る「工事損失引当金」相当額については、その事業年度の費用にはならない。つまり、損金不算入になるので留意が必要である。(法人税法基本通達2-4-19)

ゆえに、工事の進捗度が把握でき、適正な原価見積りができる会社は、工事進行基準を検討されてもよい。少し面倒であるがトライする価値はある。

各工事の工事台帳が整備されていて、きちんと工事原価を把握しなければならない。その場合、直接原価はもちろんのこと、間接原価(共通間接費)の配賦を忘れないことである。