原則として、消費税を含む金額に印紙税がかかります。

但し、消費税の金額が区分されて記載されている時や、税込価格または税抜価格で記載されている時には、請負金額だけが印紙税の対象になります。つまり、消費税の金額が明らかにされている時は、請負金額だけに印紙税がかかります。

工事契約書は「印紙税の一覧表」の第2号文書(請負に関する契約書)に該当します。例えば、工事契約書の金額が1,000万円で、消費税が8%の80万円とします。この場合、消費税の金額を明らかに記載している工事契約書なら、1,000万円が消費税抜きの請負金額ですから、第2号文書によれば1,000万円以下の場合は、5,000円の印紙を貼ることになります。

この時に、消費税の金額を明らかにしないで、請負金額を1,080万円と記載すれば、印紙税の対象になる金額が1,000万円を超えるので、5,000万円以下の10,000円の印紙を貼ることになります(建設工事の請負に係る契約に基づき作成されるものは、軽減されています。現在のところ、平成26年4月1日から平成30年3月3日までの間に作成されるものに限ります)。

次に大事なポイントは、消費税の記載の仕方です。

請負金額1,080万円うち消費税額等80万円 明らかにしている
請負金額1,080万円 税抜価格1,000万円   〃
消費税等8%を含むと記載した場合 × 明らかにしていない
消費税等を含むとした場合 ×   〃

上のように、消費税の金額をきちんと表示しないとダメです。消費税等8%を含むと記載した場合は、1,080万円が課税対象になります。気をつけてください。

建設業の場合、請負金額が大きくなれば消費税も多額になりますので、上のような記載方法で、契約書を作成なさってください。

なお、建設業の許可申請や経営事項審査に添付する「工事経歴書」は、消費税を抜いた金額で作成します。

印紙は、原則として消費税込みの金額を対象にしていますが、上の工事契約書や不動産の譲渡等に関する契約書(第1号文書)、金銭又は有価証券の受取書(第17号文書)の3つの課税文書だけが、例外になっています。

あと、領収書(第17号文書)に貼る印紙も、同じことが言えます。5万円未満は非課税です。

例えば、「商品代金が48,000円、消費税が3,840円、合計51,840円」と記載した場合には、記載金額48,000円ですから非課税文書になります。