1.概要

監督官庁は、建設業法に違反したり、不適切な施工を行った者などに対して、指示処分や営業停止、悪質な場合は許可の取消しをします。これらを監督処分といいます。

一番軽い監督処分が「指示処分」で、次に重くなるのが「営業停止」で、さらに「許可取消し」が一番重い監督処分になります。

営業禁止も監督処分の一つですが、営業停止(許可取消し)とセットで処分されます。

それでは、営業停止と営業禁止を詳しく説明していきます。

 

2.営業停止の期間

営業停止は、指示処分より重い監督処分で、1年以内の期間を定めて、その営業の全部または一部の停止を命ずるものです。

1年以内ですから、1ヶ月とか、3週間とか、短い処分では3日とかあります。現実には、6ヶ月を超えるような営業停止はないようです。通常は1ヶ月以内が多いようです。もちろん、違法の内容によりますが、悪質でない限り、1ヶ月を超えるような処分はなく、1ヶ月も超えるようであれば、建設業者の死活問題にもなりかねません。

大阪府のホームページには、「建設業処分業者一覧」が掲載されています。

営業停止では、「虚偽の施工体制台帳及び施工体系図を作成した」ことで、7日間の営業停止。「建設業の許可を受けないで建設工事を請け負った」ことで、8日間の営業停止などがあります。

参考のために追記しますが、営業停止より重い「許可取消し」が目立ちます。刑法、道路交通法、大麻取締法、覚せい剤取締法等の刑や、不正な手段で建設業の許可を受けた場合に、許可取消しになっています。また、「主たる営業所の所在地が確知できない」ということで、許可取消しになっているケースが多くあります。

 

3.営業の禁止

営業の禁止とは、営業停止や許可取消しと同時に、役員や個人事業主などに対して、一定期間、処分を受けた範囲の営業を新たに開始することを禁止する処分をいいます。

営業停止や許可取消しを受けても、新しい会社を別に作り、そこで建設業ができると考える人がいるかもしれません。このような行為をさせないために、「営業の禁止」を法人の役員や個人事業主などに命じています。

営業停止や許可取消しが命じられると、必ず一緒に「営業の禁止」処分もされます。例えば、法人に営業停止が7日間、その法人の代表取締役に7日間の営業の禁止がされます。「営業の禁止」の期間は、営業停止の期間と同じ日数になります。