この世においては、「成功したい」と思っても、自分一人の力だけではなかなか成功しないものです。なかには、「私は自分一人の力で成功した」と思う人もいるでしょう。一人で行うような仕事もありますが、それでもやはり、自分一人だけの力ではないのです。家族や友人、隣近所の人など、だれかの力を借りています。まったく自分一人の力ということはありません。

たとえば、音楽家が、「自分で演奏するだけなのだから、自分一人の力でうまくなったのだ」と思ったとしても、やはり、そうではないのです。その音楽家が世に出るためには、多くの人の力が必要だったのです。

一般の人は、普通は会社などに入って働くので、一人でやる仕事というものはありません。自分の担当する仕事は一人で行っていたとしても、会社のなかの仕事というのは、お互いに有機的に関連しているため、一人だけの独立した仕事というものはないのです。その人のできが悪ければ、ほかの人がカバーしなければいけませんし、その人のできがよければ、ほかの人もプラスの恩恵にあずかれるという関係にあるわけです。

そのために、「自分一人で仕事をしている」と思ったとしても、実はそうではないのです。人生で成功していくためには、やはり、数多くの協力者を得なければいけません。

その協力者というのは、自分の上司や同僚、部下であることもありますし、妻や夫、子供たちであることもあるでしょうが、他の人の協力を得なければ、大きな仕事というものは成しえないのです。

しかも、他の人の協力を得れば、力は2倍にも3倍にも、場合によっては10倍にも100倍にもなります。1万倍になることだってあります。

立身出世をして、1万人の会社の社長になった場合には、1万人の人を、将棋の駒のように動かすことができます。社長として一定の方向性を示すことによって、自分一人でできる以上の仕事ができるわけです。

したがって、人を上手に動かせることは非常に大事なことなのです。