○ 企業実態を的確に反映した経営状況評価
平成20年度から、全く新しい経営事項審査がスタートします。来年の4月を予定されていますが、現時点では未確定です。今回の改正は、従来の経営事項審査の延長線上にあるのではなく、評価の仕方が全面的に変わります。
現行の総合評点(P点)の概念と、今回改正のP点とは同一ではなく、全く新しい経営事項審査がスタートするとご理解ください。たとえば、従来の総合評点(P点)が800点としますと、改正後の800点は、全く違う評価になります。
きょうは、その中で経営状況分析に関しての記事です。今回の改正で、企業実態を的確に反映したものになります。
現在の経営状況分析は、平成10年当時に相次いで発生した建設業者の経営破綻等を背景に創られました。特に、破綻の原因となった不良債権や有利子負債等が経営事項審査に一層的に反映されるように、評価項目や評点分布が決められたものです。
見直しに当たっては、ペーパーカンパニーが実力に見合わない高い得点を取ることを防止するなど実態にあった評点分布になること。評価の内容が固定資産など特定の指標に偏らないようにすることを念頭に、絶対値の指標も排除することなく評価項目を選定されました。
指標的には、現在の12指標から8指標となり、以下のように改正される予定です。
( )内は、Y評点への寄与度です。パーセントが大きい指標ほど、Y点に反映され、今後の対応策を練る必要があります。
○ 負債抵抗力指標
1.純支払利息比率(29.9%) ※従来と同じ
2.負債回転期間(11.4%) ※新設
○ 収益性・効率性指標
3.総資本売上総利益率(21.4%) ※新設
4.売上高経常利益率(5.7%) ※新設
○ 財務健全指標
5.自己資本対固定資産比率(6.8%) ※従来と同じ
6.自己資本比率(14.6%) ※従来と同じ
○ 絶対的力量指標
7.営業キャッシュフロー(絶対額)(5.7%) ※新設
8.利益剰余金(絶対額)(4.4%) ※新設
この指標では、企業の実態を的確に反映した経営状況評価になりますが、中小零細企業にとっては、かなり厳しい指標になりそうです。
なぜならば、毎期の決算において、利益を確実に上げていかないと、高得点を望めない指標になっているからです。