外壁に塗る建材で透湿(とうしつ)するものは、土壁、漆喰(しっくい)、そとん壁、珪藻土(けいそうど)がある。これも、断熱屋こと山本順三さんが推奨している。

そとん壁の説明も、私が語るより、「無暖房・無冷房の家に住む(三一書房)」から引用させていただく。もちろん、本人からの承諾を得ている。P64より。

九州の大地は白州で知られる。地中深くから噴出した火山砂で、高温と圧力で植物のような多孔質を持ち、透湿するところがコンクリートやモルタルではできない芸当である。

「透湿する」というのが第1番の決め手であるが、25年間メンテナス不用というのも条件に叶っているではないか。断熱屋はそとん壁を選んだが他に珪藻土等もある。

建築用語の「呼吸する」は、あいまいな言葉で、あるいは間違った用語であるかもしれない。それは空気が出入りするものではなく、水蒸気(水分子)のみが出入りできる。

多孔質であれば、調湿、断熱、消臭などに働く。マイナスイオンも発生するという。雨が降ると表面だけ、ある程度の浸透はするが、それ以上には吸わない。雨が上がると乾いてしまう。従って、防水処理の為に表面に樹脂を吹きつけて、透湿を妨害して結露を促すコンクリート、モルタル、ALC(軽量気泡コンクリート)の壁とは全く違う世界のものである。

元々が九州の土であるから、破棄するときは道路の材料などにもよいことになる。

外壁にしても内壁にしても、継ぎ目がないから柔らかく感じる。職人の息吹が聞こえるような手作りであることは、とても心の和らぐものであることを知ってほしい。そこにサイディングのような工業製品とは全く違う世界があり、環境に貢献するものだ。

「白州そとん壁」は外壁用であり、内壁には「中霧島壁」がある。

㈱高千穂という会社が販売をしている。横浜市西区に本社がある。