貨物運送事業の許可申請で、事務所が都市計画法や建築基準法等に抵触しないことは、公示基準に規定されていて、従来から何ら変わっていません。しかし、小泉政権時代から一時期(約20数年)は、規制緩和でその審査は、さほど厳しいものではありませんでした。つまり「都市計画法や建築基準法等に違反していません」という宣誓書1枚で、建築確認申請書も検査済証もない、いわゆる建築確認が要件とされるプレハブの事務所でも許可になっていた時期がありました。現実に近畿運輸局管内ではこのような取扱いがなされていました。事務所(プレハブ等)については、基礎が確実にあり、写真等で事務所として機能している事が確実視されれば、あえて厳しく確認済証や検査済証を求めていませんでした。しかし、最近の取扱いは厳しくなっているようです。はっきりと判断できませんが、宣誓書1枚でクリアできると判断しない方が良いと考えます。

現在でも、近畿運輸局管内では、上記のような運用をされていると思いますが、中には厳しく審査される事例もありますので、建築基準法等に違反しない事務所で申請されることを勧めます。また、近畿運輸局管内では、従来から他法令違反で疑義がある場合には、各自治体に問い合わせを行っています。この取扱いについては現在も同様です。

そこで、事務所の建築物に関して、建築確認申請もなく、当然に完成検査済証もない建築物があります。その場合の解決策として、管轄市役所の都市整備課等に建築物(事務所)の「現地調査依頼書」を提出し、受理してくれれば、その調査報告書をもって、代用することも可能です。もっとも、その場合には検査済証は発行してくれませんが、その調査結果の内容で建築基準法等の違反がなければ近畿運輸局も認めてくれると考えます。ただ、役所によっては「現地調査依頼書」を受理しないところもありますので、事前に確認なさってください。建築基準法等に違反していない事に越したことはありません。

また、「現地調査依頼書」及び添付書類等に係る建築士の費用もかさむ場合がありますので、費用対効果を考えて、事務所を違う場所で検討されることも必要かと考えます。