ピーター・ドラッカーの経営学の本を読むと、彼は、「誰が正しいかではなく、何が正しいかということを常に考えよ」と教えています。

大企業、あるいは、国家レベルで物事を考えるときには、やはり、「誰が正しいかではなく、何が正しいか」ということを、とことん考えなければなりません。規模が大きくなれば、考え抜いた叡智や方針など、哲学に近いものが必要になってくるからです。

しかし、小さな会社では、必ずしもそうではありません。小さい会社の場合、「何が正しいか」などと言うのは、責任回避でしかないこともあるのです。

例えば、従業員が数百人ぐらいの会社の場合、「来年の会社の売上目標を幾らにすべきかを、部長会議にかけて、みなで議論し、『何が正しいか』を求めています」などと言っていては駄目です。そういう会社では、「何が正しいか」などは問題ではなく、社長が、「こうしなければいけないのだ!」と言わなければいけないのです。

 

小さな会社では、「誰が正しいか」が大事であり、「何が正しいか」などということは問題ではありません。そして、「誰が正しいか」とは、「どの部長や重役の言っていることが正しいか」ということではなく、「社長の言ってることが正しいかどうか」ということなのです。従業員が数百人規模の会社であるならば、問われているのは、「社長であるあなたの考えが、正しいのか、正しくないのか」ということだけなのです。

社長が、他人事のように、「何が正しいかを、みんなで議論してください」などと言っていては、絶対に駄目です。こういう社長は頭を殴って目を覚まさせなければなりません。そういうことをしていたら、会社を潰してしまいます。

 

繰り返しますが、小さな会社で問われているのは、「社長が正しいかどうか」ということだけです。正しくないことを言ったり、社員に、「何が正しいかを考えてくれ」などと言って責任を投げたりしているような社長は、ガツンと頭を殴らなければいけません。そういう社長は戦犯です。

大きな会社の場合や、国会のような国家レベルの判断をする場合であれば、「いろいろな意見をたくさん出して議論し、熟議して決める」ということもあろうかと思いますが、中小企業レベルでは、ほとんどの場合、それは、「責任回避の原理」になってしまいます。

したがって、経営についての意見は、必ずしも、すべての企業が同じように聞いてはいけないのです。

中小企業において、「わが社にとって、正しいことは何であるか」という判断は、トップ一人の責任にかかってくることであり、「何が正しい」という考え方を責任回避の原理に使うのはやめるべきです。

最終的には、社長が自分で責任を取らなければいけません。