「いかに、できなかったか」ということを理路整然と説明する、あるいは、書類にして、「いかに、それができないか」ということをたくさん上げてくるような頭のよい人は、大勢います。

その書類を読むと、まことそのとおりのように感じるのですが、それをベリッと破り、「ところで、根本的に考え直したら、こうならないのかい?」と、「それは考えてもみなかった」というようなことは、いくらでもあるわけです。

ところが、秀才は、できない言い訳を整然と考えます。そして、それを論理的に、整然と説明してくれるので、聞いてるほうは騙されるのです。

しかし、「言い訳は成功への道ではないのだ」ということを、どうか知ってください。成功は、やはり、「言い訳をしない人」のほうに味方するのです。

言い訳する事情など、いくらでもあるでしょう。ただ、言い訳をしたい気持ちを押しとどめ、自己責任だと考える人、「それも自分が受けるべき責任であったかな」と思う人がリーダーであるわけです。

ですから「郵便ポストが赤いのも自分の責任である」と思えなければ、社長などできません。

社員の人数が増えれば、言うことをきかない人はたくさん出てきますし、三十人を超えたら、だいたい言うことをきかないものです。社長の目を盗んでサボる人、言い訳をする人、責任逃れをする人など、もうたくさんいて、目が届かなくなります。

そして、それが五十、百、二百、五百、千人と増えてくると、「どうやって上の人を騙すか」ということで知恵を絞る人がたくさん出てきます。人数が増えれば増えるほど、「どうやって、社長に見つからずに、これをやってのけるか。逃げるか」というように、マイナスのほうにエネルギーを使う人たちがいるのです。これを見つけて打ち破るのは、なかなか大変なことでしょう。

しかし、これは人間の弱さなのです。単に人間として弱く、「自分を護ろうとしている、保身をしている」ということですし、言い訳をすれば、「家族を護ろうとしている、地位と給料を護ろうとしている」ということではあるのです。

ただ、やはり、そういう人はリーダーの器ではありません。