会社の内部に利益はない。会社の外に利益がある。

お客さんの方に向け! そこに成果があり、利益がある。

会社内部の生産性を上げるような能率を追求する経営方法には、会社を発展させる力はない。世の中の経営コンサルタントが、しきりに生産性を上げよとか、能率を高めよというが、会社の内部に利益もたらす要因はない。

われわれは、能率の力の限界をよくわきまえる必要がある。確かに、能率は重要である。しかし、会社を発展させる力はない。あるのは、会社の業績低下のスピードを遅くするだけである。世の中には、能率病にかかって低い業績に泣く会社があまりにも多い。

建設業者の社長も士族も、職人肌が多い。営業が苦手だ。だから、会社内部のことばかりに目がいく。内部でお金儲けができるのは、高々上下5%である。会社の利益は外にある。お得意さんにある。穴熊社長では、会社に利益をもたらすことはない。

会社を発展させるのは、内部の能率主義を高めることではなく、収益性に目を向けた「効率主義」に徹底した営業活動である。

過去にお世話になったお得意さんを、1件1件廻ることから始まる。お得意さんと接することにより、お客さんの悩みがわかり、最新の情報が得ることができるからである。そこに仕事が発見できる。廻ってみて、初めて体現できるものである。

建設会社の社長は、営業が苦手である。しかし、その営業をしないと「経営者」とはいえない。中小零細企業は営業マンを雇うだけの余裕がない。中小零細は、社長が営業マンに徹しなければならない。

先に、社長の仕事は、「メシの種を引っ張ってくること」と「給料を払うこと」と書いたが、まさに営業に力を入れていただきたい。苦手な営業を克服することが、会社を救うことになる。

外に出て、智慧をしぼり、次から次へと、お世話になったお客さんのところを走り廻ってほしい。それだけでも、新たな発見が生まれ、新しいアイデアが出てくる。新しい人材が生まれ、新しい仕事が発掘される。まずは行動から。行動は感情を育て、やがて新たな行動へと展開していく。やれば解る。やれば出来る。