1.概要
今の経営分析では、8つの指標があり、その内の2つが負債抵抗力指標であり、その一つが「純支払利息比率」で、もう一つは「負債回転期間」です。この2つの指標で、全体の寄与度が41.3%もあり、「純支払利息比率」だけでも、29.9%あります。経営分析の3割もこの指標で占めることになり、いかに大切な指標か分かります。
その算式は、
純支払利息比率=支払利息-受取利息配当金/売上高×100で計算します。
この指標は、一般に企業の健全性を示す指標です。
売上高に対して実質的な金利がどの程度あるかを表しています。当然に数値が小さいほど良い会社になり、この評点がアップします。やはり、無借金経営、ダム経営に尽きます。この数値がマイナスになるのは。支払利息より受取利息や配当金のほうが多いことを表します。上限値が-0.3%(最も良い)で、下限値が5.1%(最も悪い)です。
ここで、支払利息から受取利息配当金を控除しているのは、企業が負担する実質金利で判断するということです。
金利の多い会社では、年間売上高の5%も利息を払っていたら、もう倒産状態ですね。最低の下限値が5.1%ですから、年間5%の金利を払っていることになり、現行の金利水準が2.5%以下ですから、相当悪い状態になります。
いかに「純支払利息比率」が、重要な指標が分かり、会社の命運を握っています。とにもかくにも、まずは無借金経営の実践です。日々の実践行為として意識し、ダム経営を目指してください。5年後には、Y点はびっくりするぐらいアップしています。もちろんP点も自動的にアップし、財務体質の強い建設会社になります。建設業は余剰資金が命です。金利を減らすことに専念なさってください。期待しております。
2.対策
① 増資が可能なら資本金を増やし、その資金を借入金の返済に充て、支払利息を減らす。
② 投資有価証券や土地など経営活動に利用されていない遊休資産を売却した資金で、借金の支払に充てることで、利息を減らすことができます。経営に寄与しない遊休資産を減らし、身軽になり、無借金経営を目指してください。その上の「ダム経営」を実践なさってください。経営に寄与しない無駄な資産を無くし、シンプルな財務内容にしましょう。経営に寄与しない人材もシンプルにすることが大事です。これもダム経営の一つです。ダム経営は、トップページを参照。松下幸之助氏の写真がある記事です。
③ 定期や積立といった固定預金を解約して、借金の支払に充てることで、利息を減らします。銀行関係の問題もありますが、上手に折衝なさってください。
④ 公的資金を活用して借り換えを行うことによって、低利の資金導入を図ることにより、支払利息の総額を減らします。多くの公的資金を検討しましょう。公的資金は、銀行のように預金をする必要がありませんので、支払利息を減らし、実質金利負担が減少します。本気になって、公的資金を検討なさってください。