1.概 要
公共工事の入札方法が、紙からインターネットを利用した電子申請になってきました。国や都道府県では、かなり普及しており、一部の市町村でも開始しています。
この電子入札を利用するには、事前に所定の認証機関より電子証明書(ICカード)を取得しておくことが必要です。電子カードのことです。認証機関には、帝国データバンクや日本電子認証、NTTアプリエ、日本商工会議所などがあります。
これら認証機関で、ICカードの申込みをします。ICカードとは「会社を証明するカード」のことです。ICカードをパソコンで利用するには、ICカードリーダーも必要になってきます。申込みから2週間程度で、カードが届きます。
ICカードとカードリーダーを帝国データバンクなどに申し込みます。費用はICカードが3万円前後、カードリーダーが1万円前後、合計4万円程度です。カードの有効期間は2年のところが多く、3年間、5年間有効のカードもあります。
2.官公庁ごとに登録
電子入札に参加するには、官公庁ごとにカードの登録が必要です。1回の登録有効期限は2年の役所が多いが、官公庁によって異なる場合があります。一旦登録すると、有効期限の間は、いつでも入札に参加することができます。
3.認証機関の選択
電子入札システムには、コアシステム、総務省版、自治体の独自版などの選択肢があり、それぞれに認証機関やパソコンの設定が異なる場合があります。
建設会社が選択できる認証機関は、発注者(官公庁)ごとに異なります。民間認証会社、法務局、自治体など、どの認証機関が推奨されているのかを発注者のホームページでしっかりと確認してください。また、官公庁によっては、ICカードの認証機関を指定している場合があるので、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
その意味で、できる限り多くの電子取引を可能とする認証機関を選んだほうが有利です。帝国データバンクや日本商工会議所などが多くの役所に対応しているようです。
4.コアシステムに対応した役所が多い
電子入札コアシステムとは、複数の公共発注機関に適用可能な汎用性の高い電子入札システムの核(コア)となる部分を提供することから「コアシステム」と呼んでいます。
コアシステムと言っても、各入札方式の業務プロセスや管理機能など入札業務に必要な機能はほぼ実現しており、公開鍵暗号技術などの高度なセキュリティ機能を備えた電子入札システムです。
(財)日本建設情報総合センター CALS/EC部の「電子入札コアシステム開発コンソーシアム」が提供しています。国土交通省の電子入札システムをベースに開発されていますので、極めて信頼性の高いシステムです。
コアシステムの宣伝みたいになりましたが、ちなみに日本建設情報総合センターは、旧建設省から要請を受けて、コリンズやテクリスを構築、運営しているところです。
コリンズやテクリスの意味は「CALS(キャルス)とは」の記事を参照ください。
5.電子入札の基礎知識は、4つのホームページが有効
コアシステムの場合、電子入札の基礎知識はホームページで習得できます。
1.国土交通省のCALS/ECのHP
2.電子入札施設管理センターのHP
3.コアシステム開発コンソーシアムのHP
4.日本建設情報総合センター(JACIC) CALS/EC部のHP
また、コアシステムに関しては、JACIC地方センターで疑似体験の講習会が開催されています。JACICの担当者が発注者役になり、現実に近い電子入札の環境を提供してくれますので、早く習得できます。
(近畿地方センター → CALSコーナー/近畿)
電子入札は100回資料を読むより、1回体験する方が有効です。各地方センターのホームページでご確認ください。