平成28年(2016年)からスタートした企業版ふるさと納税のメリットとデメリットを考えてみたいと思います。

 やはり最大のメリットは、節税対策になるという事でしょう。特に令和2年度(2020年)からの節税メリットは、寄附金額の最大約9割が税額控除の対象となっています。

 簡単な例を挙げますと、1,000万円の寄附をすると、最大約900万円の法人関係の税金が安くなるということです。この制度を利用される企業が年々増えているそうです。

 今回の税制改正(令和6年(2024年)12月20日)で、企業版ふるさと納税の制度が3年間延長されました。令和9年度の令和10年3月末まで利用できます。

 

1.メリット

 一般的に3つのメリットがあると言われています。

⑴ 寄附金額に対して最大90%の税制優遇が受けられます。

⑵ 地方自治体とのつながりを作れます。

⑶ 社会貢献活動のPRにつながります。

 

 やはり、一番にくるのは節税効果です。

企業版ふるさと納税を利用して自治体に寄附すると、寄附金額の最大90%も税金が安くなるということですね。

最大90%の内訳は、寄附金額に対して30%が通常の損金算入、40%が法人住民税の税額控除、20%が法人事業税の税額控除です。言い換えると、企業側は実質10%の負担で、自治体へ寄附できます。

 次に地方自治体とのつながりも大きいです。

 ある得意先では、本店所在地の市よりも、某市での建設現場が多く、某市に貢献したいと考えておられますので、この制度を利用されています。

自治体とつながりを持つことで、自社の事業に関して相談したり、新たなプロジェクトが生まれたりと良い機会に恵まれる可能性が出てきます。

 さらには、自社のイメージアップにつながります。

自治体に寄附をすると、ホームページや広報誌などに企業名を掲載してもらえる場合があります。その結果、社会貢献活動に積極的な企業として、信用力の向上が期待できます。

節税対策だけでなく、今後の取引先との関係構築にも活用できる制度です。

 

2.デメリット

 次にデメリットを考えてみます。さほど大きなデメリットはないように思います。

 まず、すべての自治体に寄附ができるわけではありません。寄附できる自治体は、「企業版ふるさと納税ポータルサイト」で検索できます。

個人版のふるさと納税なら「返礼品」をもらうことができますが、企業版は「返礼品」をもらうことができません。企業版ふるさと納税は、制度上で返礼品が禁止されているからです。

あと、寄附金額の下限が10万円ですので、10万円以上の寄附が対象になります。当然ですが、その企業の決算期末までに寄附金の決済をしないと、その期の対象になりませんので、ご注意ください。

デメリットとしては、これぐらいかと思います。

 

3.結論

 企業版ふるさと納税のメリットとデメリットについて述べてきましたが、節税効果に一番のメリットがあるということが分かりました。

 しかし、企業から支出されるお金に関しては、企業版ふるさと納税であろうと、高級車を購入して減価償却費を計上し節税しようと、企業の懐からお金が出ていくことには変わりありません。

ただ、お金の使い途が、企業版ふるさと納税の場合だと、社会貢献度が大きいように思われますし、個人的には良い制度だと考えています。いずれにせよ、私がいつも話しています「ダム経営」を貫くことで、企業版ふるさと納税の意義も大きくなると思います。

「ダム経営」については、拙著の「儲かりまっか。建設業繁栄の応援歌」の第3章をお読みいただければ、「ダム経営」がいかに大切か、よく理解できると思います。

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