◎ 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

(質問)

 令和5年10月1日以後は、免税事業者からの課税仕入れは、すべて仕入税額控除の対象から除外しなければなりませんか。

 

(解答)

 原則と経過措置があります。

1.原則

 インボイス制度では、インボイス発行事業者以外の者(消費税、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用は受けることができません。

 請求書保存方式には事業者登録制度がないため、取引相手が課税事業者であるか免税事業者であるかを知ることができません。しかし、インボイス制度においては、免税事業者は請求書に登録番号を記載することができませんから、課税仕入れを行った事業者は、登録番号の記載のない請求書を受取ることによって、仕入先が免税事業者であると確認することになります。インボイスが交付されない課税仕入れは、仕入税額控除の対象から除外しなければなりません。

 

2.インボイス制度開始から6年間の特例(経過措置)

 ただし、激変緩和の趣旨から、インボイス制度の導入後6年間は、インボイス制度において仕入税額控除が認められない課税仕入れであっても、区分記載請求書等保存方式において仕入税額控除の対象となっているものについては、次の割合で仕入税額控除が認められます。

 

区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除ができる割合

令和5年10月1日~令和8年9月30日までの3年間

80%控除

令和8年10月1日~令和11年9月030日までの3年間

50%控除

 上記のように6年間の経過措置があり、令和11年10月1日以後は、仕入税額控除は不可となります。

 

 この経過措置の適用を受けるためには、帳簿に、例えば「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」など、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨を記載しておかねばなりません。

 この記載は、適用対象となる取引に、「※」や「☆」といった記号・番号等を表示し、これらの記号・番号等が「経過措置の適用を課税仕入れである旨」を別途「※☆は80%控除対象」などと表示する方法も認められます。

 また、区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等の保存が必要です。

 

3.免税事業者は取引先から排除される可能性が高い

 上記の経過措置があるものの、登録番号のない免税事業者からの仕入を、いちいち80%や50%の面倒くさい処理をしてくれるでしょうか。

 したがって、免税事業者は、仕入税額控除ができないという理由で、取引先から排除される可能性が高くなります。あるいは、消費税相当額を支払わない交渉を可能性が高くなります。

 この経過措置は、免税事業者が課税事業者登録を選択するかどうかの熟慮期間として準備されたものであるといえます。

 しかし、令和5年10月1日以後に登録番号を記載しない請求書等を交付すれば、それは得意先に対して、自らが消費税の申告課税を行わない免税事業者であることを告白することになります。このような告白を良しとしないのであれば、インボイス制度の開始時に課税事業者となる必要があります。

 

◎ 免税事業者の開き直り(私見)

 免税事業者は、登録番号がない請求書を得意先に請求します。

 この時に「消費税」を記載せずに請求する方法も考えられます。得意先にも「消費税はいりません」と明言し、取引を継続してもらう方法です。

 免税事業者は、もともと消費税の支払いを免除されている業者ですから、消費税を受けとらなくとも損にはならないと開きなおるしかありません。

 消費税は「預り金税金」ですから、免税事業者は、今までは「預り消費税分」を儲けていたことになります。

 次に免税事業者の仕入や経費には、消費税込みの仕入金額や経費金額を支払います。つまり、税込み会計で経費に計上でき、消費税部分だけ経費が多くなり、その分、所得金額が減ります。