平成28年6月1日からスタートした執行役員の経管(けいかん)改正のお話です。

 この制度は、執行役員のまま、経営業務管理責任者になれる制度です。つまり、取締役に就任しなくても、執行役員のままで経管(けいかん)になれます。

 今回は、その具体的なケースを挙げてみました。しかし、この制度は、会社規模や信憑性が問われる事案であり、事前相談からスタートします。あくまでも役所の判断で、申請まで進める事が出来るか、どうか審査されます。

 

1.新規に執行役員制度を組織する場合

⑴ 従来の取締役に次ぐ準ずる地位(工事部長等)の方が自社にいる場合は、新規に執行役員制度をスタートさせた段階でも、その方を執行役員に就任すれば、取締役に就任せずに経営管理責任者になれます。

⑵ 他社から経管要件のある方を雇い入れて、執行役員に就任すれば、取締役に就任せずに経営管理責任者になれます。

⑶ 問題は、自社での準ずる地位の方も、他社から経管要件のある方を雇い入れる事ができない場合は、新規に執行役員制度を組織しても、5年ないし6年が経過しないと、経管要件の執行役員が誕生しませんので、すぐに進める事ができません。下記2の「従来から執行役員制度を実施している場合」を参照なさってください。

 

2.従来から執行役員制度を実施している場合

⑴ 執行役員制度がスタートしてから5年経過していれば、5年経験のある執行役員は、取締役に就任せずに経営管理責任者になれます。

⑵ 執行役員の補佐経験の場合は、6年経過した後に執行役員に就任すれば、取締役に就任せずに経営管理責任者になれます。

 

3.重要なポイント

 この制度を利用して、建設業許可の申請なり、経管変更の申請をされる場合は、事前相談からスタートします。事前相談でOKが出れば、申請書類を進める事になります。あくまで役所の判断です。

 また、事前相談の際には、必要書類である ⑴定款 ⑵会社の組織図 ⑶役員職務規程 ⑷取締役会規則 ⑸執行役員規程 ⑹業務分掌規程 ⑺取締役会議事録 ⑻執行役員を命ずる辞令書などを持参する事になります。