経営状況分析は8つの指標があり、負債回転期間は「負債抵抗力指標」の一つです。もう一つは先に述べた「純支払利息比率」です。それぞれの寄与度は「純支払利息比率」が29.9%あり、負債回転期間は11.4%あります。この2つの指標で寄与度が41.3%にもなり、いかに大切な指標か分かります。負債回転期間の寄与度は、8指標のうち4番目に高い寄与度です。
(算式は) (流動負債+固定負債)/売上高÷12=負債回転期間(数値は小さいほど良い) |
分子が(流動負債+固定負債)となっていますので、負債合計額のことです。支払手形、未払金、借入金などの合計額で、他人資本のことです。分母は1ヶ月の売上高です。売上高は、完成工事高と兼業事業の売上高も含めます。
負債合計額を1ヶ月の売上高(月商)で割った値が、負債回転期間です。数値は小さいど良いです。
例えば、負債合計額が5,000万円あり、月商が1,000万円としますと、負債回転期間は5ヶ月となります。もう一つ例をあげますと、負債合計額が6,000万円あり、月商が2,000万円としますと、負債回転期間は3ヶ月になります。下記のとおりです。
負債総額 |
月商 |
月数 |
判断 |
5,000万円 |
1,000万円 |
5ヶ月 |
回転期間が長い方が悪い |
6,000万円 |
2,000万円 |
3ヶ月 |
回転期間が短い方が良い |
回転期間が短い方が資金繰りが良いことになります。5ヶ月よりも3ヶ月で回転する方が、資金繰りが健全ということです。この負債回転期間は、資金繰りの健全性を判断します。
上限値(最も良い)が0.9ヶ月で、下限値が18ヶ月です。一般的には、3ヶ月以内が望ましい数値です。6ヶ月以上になりますと危険状態です。企業の負債(借入金など)が多すぎて、経営活動を圧迫していないかどうかを見るための指標です。平均月商に対する負債の量を表し、数値が小さい(回転期間が短い)ほど良い会社になります。