経営状況分析の「収益性・効率性指標」には、先に述べた「総資本売上総利益率」があり、寄与度が21.4%もあります。この指標は、総資本の収益性を表しています。つまり、総資本でどれだけの粗利益を稼いだかを見る指標でした。

 今回の売上高経常利益率は、「収益性・効率性指標」の二つ目になります。売上高経常利益率の寄与度は5.7%です。寄与度の高い順番から見ますと第6位になります。銀行さんが「経常(けいつね)」と言って、会社の経常利益を意識される指標の一つです。投資家も企業を判断する時に最も重視しています。会社の収益性を表す指標です。

 

(算式は)

経常利益/売上高×100=売上高経常利益率です。

 

 分子に経常利益とあります。

 経常利益とは、簡単に、売上高(完成工事高)から、売上原価(工事原価)と販売費一般管理費と支払利息を引いた利益が「経常利益」です。

 土地の売却損益などの臨時的な損益を除いた利益です。本来の営業活動から得た営業利益から主に支払利息を引いた利益とも言えます。

 簡単に次のようになります。

 

売上高(完成工事高)

下請工事の出来高請求額は含みます。

売上原価(工事原価)

材料費、外注費、現場の人件費、工事の直接経費

(売上総利益)

粗利益とも言います。

販売費及び一般管理費

工事原価以外の費用

(営業利益)

本業で稼いだ利益のこと

支払利息

銀行の金利など

(経常利益)

これが経常利益です。

 

 経常利益とは、本業と本業以外の経営活動によって得た利益ですから、企業の収益性を表す指標です。当然に、経常利益が高いほど優秀な会社になります。反対に経常利益がマイナスになるということは、支払利息(金利)が多く、借金体質の会社だと判断されます。会社規模や売上高に比し借入金が大きすぎ、バランスの取れていない会社になります。対外的にも良い評価を受けることはありません。

 経常利益がマイナスの会社は、早急に改善策を実施しなければなりません。