車両制限令の「幅の制限」に関する第5条及び第6条については、別の記事で説明していますが、この第5条及び第6条は、車道幅員を前提に条文が規定されています。道路の総幅員ではありません。
例えば、市街地区域内の道路を通行する車両の幅は、次の式により算定することになっています。車両制限令第5条2項の規定です。
車両の幅≦(車道の幅員-0.5m)×1/2
この場合における「車道の幅員」とは、道路の総幅から路肩の幅員の合計が標準(1m以上)である場合はその路肩幅員の合計を、標準未満である場合又は路肩幅員が明らかなでない場合は、路肩相当分として1mをそれぞれ減じたものをいいます。
この場合、道路の総幅員が5mで路肩幅員が明らかでない場合は、5mから1mを減じた4mが車道幅員になり、車両の幅を計算しますと、(4m-0.5m)×1/2=1.75mになります。つまり、車幅が1.75mを超える車両は通行が出来なくなり、車両制限令に抵触することになります。基本的には、第5条及び第6条は、この考え方が前提になっていますので、車道幅員が可能の場合でも、路肩部分を無視できません。
車道と路肩が区別できない道路の場合は、要注意です。運送業の許認可で前面道路の幅員は、車道幅員だけではなく路肩を含めた総幅員で判断します。非常に大事なポイントです。近畿運輸局の判断も、路肩を含めた総幅員で判断されています。
もっとも、車道幅員と路肩幅員が明らかでない場合には、事前に道路管理者で確認されることが賢明です。まれに、総幅員が不足していても、車道幅員が可能の場合は、道路管理者から「通行に支障がない」等の回答を得ることが出来る場合には、許可や認可になる場合もありますが、ならない場合も多くあります。道路管理者からの回答内容で、運輸局や大阪運支局が判断されるからです。但し、原則は総幅員で判断します。
近畿運輸局や大阪運輸支局でも、道路管理者に問い合わせをされて判断されていますので、事前に確認なさってください。