都市型ハイヤーの許可申請も、一般貨物(トラック)や一般貸切(バス)と同様に、銀行預金の残高証明書が求められます。許可申請日の日付と法令試験合格後の近畿運輸局が指定する日付の残高証明書が求められます。原則2回、求められます。

 銀行預金の残高証明書は、許可申請書に係る「所要資金及び事業開始に要する資金の内訳(別紙③)」と「資金の調達方法(別紙④)」を事前に提出していますので、その裏付書類として求められます。

 一定の計算方法で算出した「事業開始当初に要する資金」に関しては、その合計額を上回る自己資金が必要になります。例えば、予定する「事業開始当初に要する資金」が3,000万円とすると銀行預金残高は3,000万円以上の金額がないと許可になりません。

 現在のところ、近畿運輸局は「事業開始当初に要する資金」の確認方法として、残高証明書を重視しています。

 古くは、既存法人なら直前決算期に係る「純資産額」も一つの判断基準にされていました。もちろん、それと残高証明書も求められていました。極端な話、銀行預金残高がクリアしていれば、現実に「純資産額」がマイナスでも許可になっています。例えば、預金残高が5千万円あり、借入金が1億円、純資産額がマイナスの2,000万円であっても、事業開始当初に要する資金に関しては、銀行預金の残高証明書1本で判断されているようです。

 私は40年以上も運送業の許可申請を続けてきましたが、長い間に審査基準も変遷しました。そろそろ、私の古い頭も変遷する必要があるようです。