仙頭正四郎氏編著の「花粉症(農文協」」の書籍に、鼻から見える体の仕組みのことが書かれています。この本を2007年(平成19年)1月に購入していますから、私が57歳の時です。この時には、私の花粉症はかなり緩和されていましたが、まだ完治していないことが分かります。この本を読み返してみて、鼻の役割が少し理解でき、非常に面白いと感じました。
次のようなことを教えてくださいました。
花粉症の主な症状は、くしゃみや鼻水です。呼吸するときの空気の通り道は鼻と口ですが、口は意図的に開閉できます。しかし、鼻はいつも開いている場所で、意図的に少し開くことはできますが、閉じようとしてもできません。このように、呼吸という働きを通じて「肺」が外界と通じている出入口の基本が「鼻」であることが分かります。鼻と肺が機能的に密接に関わっていることが分かりますね。
また、呼吸の出入口としての鼻は、外気が直接体の内側に入らないようにするために、表面がいくつものヒダが折り重なる構造になっていて、この迷路のような空間を通過しているあいだに異物が表面の粘液に付着して捕獲されます。異物が入り込むのを阻止する役目は、鼻の入口にある鼻毛も担っています。こうしてつかまえた異物を、鼻水やくしゃみで外に押し出します。鼻はバリアとしての役目を果たしています。これも面白いですね。
さらに、鼻の働きに重要な「水」の話も書かれています。
鼻のすべての役目には水が必要で、鼻の粘膜が潤っていないと鼻は本来の仕事ができません。では、たくさん水があればいいかというと、そうではありません。鼻の潤いは、鼻と体の内側をつないで、つねに流れている新鮮な水でなければなりません。
水が過剰にあふれて次から次に鼻水が出たり、粘膜に水が充満して動かなくなって鼻づまりを起こしたり、水が不足して痒みやヒリヒリをつくったり、鼻にとって大事な水が、いろいろな形で異常を起こし、症状をつくっています。これが花粉症なんですね。
締めくくりの箇所では、「花粉症の主な症状があらわれる鼻と水の役割」と題して、一覧表で、鼻と肺の関係、鼻の働きを維持するために水を動かす「腎・脾・肝・肺」の仕組みもまとめられています。
体の仕組みが外へ開いている場所が「鼻」であり、東洋医学でいう「肺」の働きをささえる重要な部品です。鼻の役目は、空気中から酸素などの有益なものを取り込み、ばい菌や花粉など悪質なものは鼻水やくしゃみなどで排除します。体を守るため、匂いで危険を嗅ぎ分けています。鼻の役目を果たすためには水が必要であり、鼻の粘膜を潤す水が、過剰になると鼻水に、粘膜に充満して動かないと鼻づまりになります。
鼻の働きを維持するために水を動かす仕組みとしては、「腎」は全身に水をめぐらすための熱を提供し、「脾」は全身に水をめぐらせる力の土台をつくり、「肝」は水のめぐりの配分を行い、「肺」は水の体の防衛に使うと、示されています。
この仕組みの、いろいろな場所で起きる異常が花粉症に結びついていることが分かります。
花粉症は、鼻だけでなく、肺も腎臓も脾臓も肝臓も関係していることが理解できますね。私は、おそらく五臓六腑のすべて、いや体全体の健康や心の問題も関係していると思います。
現時点では、アレルギー体質を健全な体に改善することが、最良の対策と考えています。それには、毎日の食生活、適度な運動、正しい薬の使い方等が大切だと思います。花粉症を治した一人として、毒素を出してくれる半身浴や5本指の靴下を併用されることもお勧めします。
この書籍では、花粉症の原因を、生活の取り組みで解消し、漢方薬の使い方を工夫して解消するのが、東洋医学的な治療になりますと、教えていただきました。