不況のせいで会社が潰れることがないとは言い切れませんが、個人的には、多くの場合、経営者の責任だと考えています。
繁栄発展されている得意先の会社は、不況であっても、どのような状況下でも、経営者を中心に智慧を活かして懸命に努力されています。多くの会社を見るにつけ、やはり、会社が潰れることは、経営者の責任だと捉えています。
多くの経営者を見てきましたが、不況のせいで潰れる会社というのは、本当は一社もないと思っています。会社が潰れる原因の九割は、実は、経営者の責任であったり、会社の内部の問題であったりします。
この点について、一度、身も心も引き締めて考えなければなりません。経営者、もしくは経営者を支えている経営幹部まで責任は及びますが、倒産の九割は、「会社の内部」に原因があります。
好況のときに会社が潰れないのは普通なので、経営能力は特に問われません。不況のときこそ、経営能力が試されます。その意味で、「会社が潰れるときは、やはり内部に事情があり、特に経営者に問題がある」ということを知ってください。
「魚は頭から腐る」と言われるように、会社が潰れるときは、たいていトップから腐っていきます。いちばん腐敗しやすいのがトップです。
「会社が潰れたのは不況のせいである」と言って責任を逃れたいという、経営者の気持ちは分かりますし、政府に対策を求めたい気持ちも分かりますが、政府の対応を待っていても、しかたありません。
政府がいくら金をばらまいたところで、自分の会社のえぐれた部分は埋まるものではありません。経営者及び経営幹部は、社員と一丸となって、危機を乗り越えていこうと努力してください。必ず、乗り越えることができます。
会社はトップの甘い判断によて潰れることがほとんどです。好況のとき、成功しているときは、腋が緩みすぎます。失敗すると、「部下のせい」「他の企業のせい」「政府のせい」と、誰かに責任を負わせようとしがちです。しかし、すべては経営者の見識不足であると考えてください。そうすれば、必ず、突破口が見つかります。新しい発見があります。
そして、自らに厳しく、自分自身を反省し、見つめ直すことが大切です。不況のときこそ、経営者は真にその腕が磨かれ、会社は真に強い会社として生まれ変わることができます。
経営者が優秀であれば、どのような危機も乗り越えることはできます。トップ一人の責任ですので、智慧を活かして繁栄発展させてください。
たとえ、その危機に気づかなかったことで一歩遅れていたとしても、まだ、会社が潰れていないなら、「チャンス」はあります。従業員を護り、その家族を護るために、どうか勇ましく戦ってください。