「さわやかに生きる」ということを考えたときに、大きな課題として、「劣等感の克服」と「嫉妬心の克服」という二つの問題があると思います。
「劣等感も嫉妬心も、まったく持ったことがない」という人は、ほとんどいないのではないでしょうか。程度の差があっても、どんな人にも劣等感はあるものです。
ただ、それがいつも表面に出ていて、「あの人は劣等感が強いな」という感じのする人は、「さわやか」ではないでしょう。とても暗い感じがします。
劣等感は「他人との比較」から生まれてくるものです。嫉妬心も、やはり「他人との比較」から生まれてきます。
この世では大勢の人が一緒に暮らしていかなければなりませんが、どのような人にも、「ある部分は優れているが、ある部分は劣っている」という「でこぼこ」はあるものです。
すべての人が同じ「人造人間」のようなものであってよいはずがありません。
「まったく同じサイズで、同じ性能と機能を持ち、寿命も同じ、馬力も同じ」ということであれば、それはロボットと同じです。人間が、そんなものであるはずはありません。
人間には、いろいろな違いがあるから楽しいです。可能性があるから面白いと思います。
そして、一人の人間だけでも面白いのですが、「人と人との組み合わせ」ということも面白いです。違うタイプの人同士の組み合わせによって、いろいろなことができるところが、また素晴らしいです。
「劣等感や嫉妬心のもとにあるものは、他人との比較」であると述べましたが、人間は他の人と違っていて当たり前です。バラエティーに富んでいるからこそ、世の中は面白いのではないでしょうか。
誰もが同じだったら、生まれてくる意味などありません。違う人がたくさんいるから面白いと思います。他の人たちから刺激を受け、切磋琢磨しながら生きていくことができるわけです。あるときは先生になり、あるときは弟子になり、お互いに教えたり教わったりしながら生きていくから、人生は楽しいと言えます。
そのようなわけで、劣等感や嫉妬心があっても、頑張ってクラッと「光明転回」をしていく必要があります。努力して、これを乗り越えていくことです。
劣等感や嫉妬心を持っていない人はいませんが、「それを、どのように乗り越え、プラスのほうに持っていくか」ということが大事なのではないでしょうか。
やるべきことは、自分で精進をし、小さな成功を積み重ねて、自信をつけていくことです。自信をつけていくことによって、劣等感は薄まっていきます。小さな成功が積み重なっていくと、だんだん、劣等感を持っていた自分のことを考えなくなってきます。
小さな成功を積み重ねていくと、劣等感は薄れていきます。