一般論として、悩みやストレスの多くは、「人間関係の問題」や「金銭的、経済的な問題」が中心でしょう。今回は「人間関係の問題」について考えてみたいと思います。
人は、同じ事実を見ても、それぞれ違った解釈をします。特に、手の焼ける人は、エゴイスティクというか、自己中心的に物事を考えるようなタイプです。こういう人との人間関係の調整は困難を極めます。
例えば、好意をもって相手に接したとしても、相手がそう受け取らない場合もありますし、素直に感謝される場合もあります。時には、その好意が間違いの元になり、友人関係が壊れてしまうこともあります。このように、「ものの見方の違いによって、人間関係が、いろいろと変化してくる」ということが現実に多くあります。
ただ、「いろいろな見方がある」ということ自体は許容しなければいけません。「他人の見方や感じ方は自分とは同じではない。同じ事実に対しても、いろいろな見方がありうるのだ」ということを知ってください。それを知ることが、その人自身の認識力の大きさ、あるいは、他人に対する寛容さや包容力につながっていきます。
ところが、「自分の見方がすべてであり、それ以外の見方はないのだ」と思いすぎると、人間関係を向上させていくには極めて難しいと思います。私も若い頃は、人の意見も聴かず、自分勝手な考え方を押し通してきました。あぁ、そういう見方もあるのだと考えたこともなく、相手を傷つけてばかりでした。情けない自分でしたが、心の勉強をするようになってから、少しずつ寛容さや包容力の大切さに気づきました。それでも、また同じことを繰り返します。その連続でしたが、今では人の意見を多少聴けるようになってきました。
人間関係を向上させていくには、「他人の長所を見る」という性格を強めていくと良いでしょう。「長所と交われば悪人なし」という言葉もありますが、自分の長所を見てくれる人に対しては、たいていの場合、「いい人だ」「友達だ」と思います。「付き合いたい」とも思うでしょう。
一方、自分の欠点ばかりをあげつらってくる人に対しては、やはり、煙たく感じるでしょう。「本当にそのとおりだ」と思いつつも、その人からは足が遠のいていくものです。
このように、人間関係を良好にし、友人を増やしていくためには、「なるべく相手の長所を見る」という傾向を養うことが大切だと考えます。
これは、「自分の人生の方針として、人のよいところをできるだけ見るように努力しよう」と、心の中できちんと決めたならば、意外に可能なことです。まずは「そうしよう」と思わなければなりません。そして、そう思えば、そのようになっていきます。
繰り返しますが、努力して相手のよいところを見ていくことです。「この人のなかにも何かよいところや長所があるのではないか」と考え、なるべく、そちらのほうを見てあげてください。これも幸せの行進曲を倍増させます。