平成も18年になって、「義」を貫く男たちがいます。団塊の世代には、まだまだ「義」を重んじる人たちが残っています。

それはそれでありがたい。賞賛もします。かく言う私も広義の団塊であり、「義」に拘る男でもあります。リーダーになくてはならない一つの要件でありますが、「義」ばかりでは、ギクシャクする面も出てきます。

わが大阪会に「義」のみに生きる典型的な侍がいます。一本バシットと筋がとおっています。みごとに「義」を押し通します。拍手喝采を送りたい。

義の強い方は、「礼」も重んじます。「勇」も立派です。「信」も豊かです。だけど、それだけでは、纏まるものも纏まらない時があります。

やはり、「礼」も「智」も「信」も「義」も「勇」も必要ですが、「仁(じん)」が一番大事ですよ。仁とは「愛」です。みんなを包み込む愛が必要です。

仁があれば、許しの思いがでてきます。「義」の強い方は、この許しの部分がなかなか認められない。心の底から許すことができない。

「礼」「智」「信」「義」「勇」の五つの徳目を実践して王道に入っても、「仁」が基礎にあって、底辺にあって、これら五つを支えるものでしょう。この愛(仁)の力が基礎になければならない。

愛をもって「礼」をせよ。愛の心をもって、礼を守れ、礼儀を行う。己が利得のために礼儀を尽くしても、そのようなものは根が生えない。

また、愛の心をもって「智」をかたちづくる。愛の心でもって民の「信」を、人々の「信」を集める。

愛をもって「義」を行う。愛の心をもって善悪を分け、道理を見抜き、判断する。

愛をもって「勇」を行うこと。蛮勇であってはいけない。人々の注目を集める勇ではダメです。

愛(仁)をもって、「礼」も「智」も「信」も「義」も「勇」も、やらないと空回りするだけで、わが行政書士会の発展には結びつきません。

ADRも知的財産も、このような気持で推し進めていかないと、弁護士会や弁理士会と、子供ような喧嘩を繰り返すことに過ぎない。

勝った負けたではないですが、最初は負けてもいいじゃありませんか。弁護士介入の、弁護士主導型のADRでも良いではないですか。そのうち力をつけて、かかる日には一人歩きできるADRを育てていく。長いスパンで捉えていきましょう。

真意は勝ち負けではありません。弁護士会が勝っても、司法書士会が勝っても、行政書士会が勝っても、トータルで、日本全体で勝ちがあれば、負け組みも含めて法曹業界が繁栄発展していきます。小さな勝ち負けに拘っていたら、真の意味で、国民の利便に供することができません。日本の法曹界の発展や資格の統廃合は実ることは難しいでしょう。

それまでは、おそらく血みどろの戦いがあるかもしれませんが、そんな士族間の争いは避けなけばなりません。どうしても、平和裏に成功裏に治めていくことが、日行連役員たちの使命だと考えています。

何だか、偉そうな、傲慢な記事になりましたが、心の底から、そう思います。