上皇上皇后両陛下もご来村された文化村です。

「なら歴史芸術文化村」は、奈良県天理市杣之内(そまのうち)町437-3にあります。私達が行った時は令和6年9月22日です。文化村がオープンされて2年6ヶ月ですので、どの棟もきれいで、気持ちよく見学することができました。特に文化財修復・展示棟にある「薬師寺東塔」の木造模型も常設されていて見ごたえがあります。

 メインの「文化財修復・展示棟」、あと「芸術文化体験棟」、「交流にぎわい棟」「情報発信棟」と4つの建物が並んでいます。文化村の情報紙からの紹介です。

 文化財修復・展示棟は、「歴史的建造物」「考古遺物」「絵画・書跡等」「仏像等彫刻」の4分野における文化財修理の現場を見ることができます。それぞれの分野によって、必要な道具や専門技術は大きく異なりますが、文化財を保存し将来へ継承しようとする理念は同じです。本展示では、「修復工房見学ツアー」を日々行っています。学芸員ならではの視点から、各工房の作業工程を紹介するとともに、そこに携わる技術者に焦点をあてています。文化財を守り伝える心と技術を味わうことができます。「絵画・書跡等」の修復は必見です。

 芸術文化体験棟では、公開制作や作品展示を並行して行っています。例えば、文化村クリエイションは、先進的な取り組みを行うアーティストを招き、制作・発表を行うとともに、創作の課程を見せてくれます。令和6年7月20日~9月23日は、美術家・版画家の「若木くるみ」さんの「修復わたくし」が開催されていました。見ると思わず、「なるほど・・・」「おもしろい・・・」と唸(うな)ってしまいます。

 交流にぎわい棟は、いわゆる「駅の道」を兼ねていて、様々な土産物が並んでいます。妻と娘は、この場所から動きません。別館には「工芸品」も陳列されています。吉野杉で作成された「ぐい呑み」や吉野ヒノキのまな板などが並んでいて、杉の香りを楽しみながら珠玉のひと時を持つことができます。まさに「木は生きている」という感じを受けました。

 情報発信棟は、時間の関係で見学しませんでしたが、天理市制70周年記念「写真と絵画で魅せる天理」を開催されていたようです。

 1周年記念誌には、この文化村の「3つのこだわり」が紹介されていました。

 一つ目は、「文化村でつながる、文化村から広がる~地域の魅力を歴史や芸術とつなげて広く発信~」。

 二つ目は、「来村者にやさしい文化村で、楽しい体験~サービスデザイン思考によるプログラムの実施~」。

 三つ目は、「文化村でみんな学ぶ~来村者だけではなく、関係者全員が学べる~」とあります。

 この冊子で、なら歴史芸術文化村の良さを再確認することができますし、「なら歴史芸術文化村」から時空を旅するお散歩マップも付いています。

 歴史に興味のある方にとっては、時間を忘れるぐらい堪能できると思います。歴史にあまり興味がない方でも、「道の駅」も兼ねていますので、お勧めの文化村です。