断熱屋こと山本順三さんが「この本を読んでから建てよう」に続いて「無暖房・無冷房の家に住む」を18年6月に出版された。早くに送ってもらっていたが、怠け者の私は机の上に置いたまま、きょうになってしまった。

セルローズファイバー(CF)とは、植物繊維の断熱材である。日本ではグラスウールが主流ですが、このCFは優れもの。我家も自然素材のCFですから、冬暖かく夏は涼しい。

彼は、CFの普及で全国を飛びまわっている方であり、実践と理論を兼ね備えた断熱屋である。断熱に関しては、日本一と言っても言い過ぎではない。もちろん、ご本人とも昵懇(じっこん)の仲である。学者ではなく、長年の現場体験があるからこそ、説得力があり、理論も豊富。CFの凄さを実感できる、「体験館」が埼玉県朝霞市にある。「体験館」については後日に。

さて、「無暖房・無冷房の家に住む」の中から「CFの絶大な効能一覧」という一説を紹介しましょう。(P158)

その前に、CFの原料は新聞紙にホウ酸が7~10%入ったもの。ホウ酸はダイヤモンドの次に優れた自然素材であることを知ってください。

1.防虫

まずは防虫効果から。ニュージランドやハワイなどのゴキブリ天国では、床下の防蟻剤は50年前からホウ酸である。日本でもホウ酸を溶かして散布する業者がいる(シロアリ通行止め)という商品名で販売されている。ゴキブリ、シロアリ、ネズミは、その家を取り壊すまで現れない、繁殖しない、と断言してよいだろう。

2.耐火

ホウ酸のパウダーを新聞紙と混錬すると、ガスバーナーで焼いても、煙は上がらず真っ赤になってから黒く炭化して灰になる。それも表面の2~3ミリにすぎない。ご存知のように、柱なども表面が炭化すると酸素が中に入らないので、中は燃えないことになる。

3.断熱効果

新聞紙を手で引き裂いて明かりにかざしてみると、糸よりはるかに細いファイバー(繊維)が見える。その中に更に100万分の3~8ミリ(ナノメートル)ほどの目に見えない細孔がある。ファイバーの中に含む空気と細孔に含む空気が2重にあるので、多少の圧縮では断熱性能に影響なく、2重の空気層は元々である「木の3倍」の熱伝導率に現れている。

4.調湿

ファイバーの細孔は、水蒸気(水分子)が一休みするベットである。

グラスウール、ロックウールなどでは細孔がなく、単なるガラス棒や岩の細片が重なっただけのものであるから、水分子のベットも布団もないので、吸湿も放湿もできない。つまり、調湿はできない。

5.防音

生活空間において音は重要な存在である。

CFがとても防音に優れているのは、例えば、CFを壁に7キログラム/㎡に入れるとすれば、グラスウールの場合、10キログラム/㎡では、100ミリ7枚を圧縮して入れなければ、同等の重量にならないし、防音にはならないはずだ、でも防音にはならない。なぜかと言えば、グラスウールなどは細いガラス棒が重なっていて、その間にある空気が断熱性を保っている、その空気層をつぶしたのでは断熱はなくなる。2重の空気層と絶対的な違いがある。

よって、グラスウールは重層を得ることができない。防音は吸音と遮音があり、遮音はイコール重さと訳せるほどの意義があるからだ。

6.防錆

建物に使用する金属は、ひと昔前には想像もつかないほどの量である。

そしてメッキが優れているので容易に錆びないものだが、目につかないものであるから心配になる。試験では、CFに浸しておいた金属は150~170倍も通常より錆びないことになっているので、先ずは永久に「錆ない」ものと思って欲しい。

7.結論

断熱屋がCFを強く推薦するのは、これほどの性能を備えた断熱材は皆無であるからだ。自然系の断熱材は他にも沢山あるが、中には断熱材だけで、CFの材料と施工費を合わせたものより高いものが相当あり、その性能はCFに遥か及ぶものではない。

以上が抜粋であるが、これから家を建てる方やリホームされる方は、必読の書籍である。もちろん、建てた後でもCFの施工ができる。設計士さんも工務店の方々も、ご一読を進める。断っておくが、私は山本氏のセールスマンではありません。