文章を書くときに、名詞形を多用すると、硬い表現になり、文意が取りにくくなります。
単純な例ですが、「大工さんは金槌を使用して、家を建築します」を「大工さんは金槌を使って、家を建てます」にした方が柔らかい表現になり、「使用」や「建築」の名詞を動詞に変えています。
これも極端な例ですが、「難解な法律文章は、理解を困難にする」を「難しい法律の文章は、なかなか理解しにくい」といった感じでしょうか。
わかりやすい文章のコツは、名詞を多く使わないことです。できるだけ、名詞を動詞に変える工夫をすれば、内容が同じでも、理解しやすく誤解を防げます。
次の例は、どうでしょうか。「わが国の経済の方向性の問題点」。よく似たような表現がたくさんありますね。「の」を重ねて使う例です。
名詞を多く使うので「の」ばかりがきて、堅苦しくて意味のとれない文章になることが多いようです。名詞を多く使うというときは、多くの場合、「の」が繰り返し使われています。
これを「わが国の経済における方向性を考える問題点」。これでも、まだスッキリしません。「わが国の経済は、どのような方向に進んでいけばよいのか、その問題点」というふうに変えれば、理解しやすくなりますね。
ポイントは2つ。名詞や名詞句を動詞に変える工夫と、「の」ばかり使わない表現方法を考えます。