感性というと、努力の領域外のことのように見えるものです。
知性は、ある程度、努力で埋め合わせがつくと思えるのですが、感性となると、生まれつき、差があるように見えるので、「努力のしようがないのではないか」と思う面はあるかもしれません。
しかし、感性であっても、努力の余地はあります。自分が興味・関心を持ったものについて、観察や研究などの努力を続けていくと、知性と同じように、感性も磨かれていきます。
例えば、女性の洋服やおしゃれに全く関心のない男性が、たまたまデパートに就職して、婦人服売り場に配属されたとしたら、「私には感性がないので、務まりません」と言うわけにはいきません。
それでは、その人は、どうやって感性を磨けばよいのでしょうか。
まずは、お客様の視線を観察し、「どういうものを見ていらっしゃるか。どういうものを、よくお買いになっているか」ということを見てみます。
また、デパートの店内や街を歩いている人をよく見て、「今、どんな服が流行っているのか」ということを調べたり、休みの日に、ほかのデパートや店へ行き、客のふりをして、「どんな品揃えをして、どんなものを売っているか」ということを調べたりします。
そのようなことを勉強していくと、「今は、このようなものが流行っているんだな」「時代の仕掛け人は、今年、こういうものを流行らせようとしているんだな」というようなことが分かるようになります。
このように、知性だけでなく感性も磨くことができます。特に自分が興味・関心を持ったものには、自ずから研究も努力もしやすいと思いますので、あきらめずに感性を磨いて、良い作品などを残してください。