探し求めていたわけではないが、やっと自分が求める理髪店に出会った。

お店に入ると、真心がこもった挨拶と波動の良い言葉が、何となく安心感を与えてくれる。いつもカバンを持ち歩いているので、置き場所に困っていたら、お店の方がこちらの方でお預かりいたします。と、すばやい対応。言葉ではなく、大事なお客さんの手荷物をきちんと保管してくださる、自然な姿にまず感動。

これまでのお店だと、待っている腰掛の横に置いたまま、自分の番がくれば、カバンはそのまま置き去りになる。気になるので、時たまカバンに意識を向けなら散髪をしてもらっていた。お金を払いながら、こちらが何度も気を使う。

さて、本番。ぬれたタオルで髪をほぐしてくれる。自分の注文もしっかりと聞いてくれる。ここまでは、どこでも同じようだが、一つひとつの動作に優しさが感じられ、ご自分の仕事を楽しむかのようにやってくださる。何ともいえない幸福感が伝わってくる。

髭を剃る前に、蒸しタオルを当てる。たいがいのお店では、自分の顔の近くで熱いタオルをパタパタさせながら、ゼリケートな頬に被せる。最低1回ぐらいはアツイと感じる。ここは違う。いつ蒸しタオルが顔にのったのか、ぜんぜん熱くないし、恐怖感も全くない。

頭を洗ってもらう時も、自分の頭や顔のように扱ってくださる。頭全体をまんべんなく、しっかりと洗ってくださるが、シブキは飛ばない。シャンプーが終って、元のイスに腰掛けても、頭から水滴も落ちてこない。

かゆいところはありませんか、と聞いてくださるお店のシャンプ―は、大抵、洗い方が雑で、ペタペタと水のしぶきが飛んでくる。殆ど自分の体が無防備の状態で、返事もしにくい。そんなことより、水シブキに気を使い、洗った後の頭を丁寧に拭いてくださる方が余程感じが良い。

最後のセットに入る前に、肩や首をほぐしてくださる。これも実に真心が込もっていて丁寧である。いつか行った理髪店では、真似事程度で3回叩いて終わり。

イスの下のバイブレーションが動き出す。これもセットが終るまで続くので肉体の疲れが取れ、気持が良い。以前、1年ほど続けたお店では、最初の2回目ぐらいまでは、バイブーを動かしてサービスをしてくれたが3回目からなくなった。

大事なハサミと櫛さばきも上手い。40年以上の実績。3人の理容師さんがいらっしゃるが、いずれもベテランぞろいである。

「ヘアーサロン ルビー」だが、お勧めの理髪店である。