まず、近畿運輸局管内での営業区域拡大についての記事であり、他の運輸局をまたがないケースであることをお断りしておきます。

1.どの様式を選択するのか

 現在、貸切バスの許可を受けている会社があり、営業区域は「大阪府」です。

 平成29年11月に新規申請をし、平成30年3月に許可を受け、平成30年5月に運輸開始をしました。その後、令和4年11月に更新許可の申請しましたが、現在も更新許可中ということで、更新後の許可書は未だ得ておりません。

 上記の会社が、令和5年9月頃に、兵庫県に営業所の開設を計画しております。

 この場合に事業計画の変更認可申請をすることになりますが、近畿運輸局の場合、事業計画の認可申請の様式が以下のとおり3種類あります。

⑴ 更新許可を受けていない場合の様式

⑵ 更新許可を受けたことがある場合又は平成29年4月1日以降に申請をして新規許可を受けた場合の様式

⑶ 隣接区域拡大の様式です。

 一般貸切旅客の営業区域は「都道府県単位」ですので、3の隣接区域拡大の様式は、市区町村単位での区域拡大ですので、ここでは省略します。

 次に1の様式を使用するのか、2の様式を使用するのか、少し判断に困りますが、結論は2の様式を使用して「営業区域拡大」の申請をします。

 この会社は、現在、更新許可の申請中で、更新許可通知を受けていませんが、平成29年4月1日移行に申請して新規許可を得た会社ですので、2の様式が該当します。

 

2.営業区域拡大は、ほぼ新規許可申請と同じ

 営業区域拡大の認可申請は、ほぼ新規許可と同じ基準で審査されます。

 異なる点は、法令試験がないことです。また、新しい営業所を開設するための所要資金等の審査も行われます。所要資金で新規申請と異なる点は、事業開始当初に必要な資金として算定される「車両費、土地費、建物費」の6ヶ月分が2ヶ月分でよいことになっています。

 さらに、平成29年4月以降に申請して許可を受けた事業所については、安全投資計画や事業収支見積書も必要となります。

 申請する営業所の最低車両数は3両です。また、予定する運行管理者、整備管理者、運転者も同様で、就任承諾書が必要になります。所要資金、銀行の残高証明書も求められます。ここでは、簡単に営業区域拡大に必要な書類関係を記載しておきます。詳細については、別の記事を参照なさってください。

⑴ 事業計画認可申請書(鏡)

⑵ 事業計画等

⑶ 添付書類(様式)

⑷ 運行管理体制

⑸ 所要資金

⑹ 各種宣誓書

⑺ 各種就任承諾書

⑻ 安全投資計画

⑼ 収支見積書

⑽ 整備サイクル表