近畿運輸局管内での「営業区域拡大」の申請様式は3種類ありますが、ここでは「更新許可を受けたことがある場合又は平成29年4月1日以降に申請をして新規許可を受けた場合」の様式を例に話を進めていきます。

 以下、営業区域拡大に必要な書類を順を追って述べていきますが、ここでは、認可申請書(鏡)と事業計画等(別紙①)について述べます。

 

1.事業計画認可申請書(鏡)

 認可申請書(鏡)には、申請者の住所、氏名又は名称、代表者の氏名、連絡先の電話を記載しますが、行政書士が代理で申請される時は、その下に代理人として行政書士の連絡先とメールアドレスを追加された方がよいです。

 事業の種別は「一般貸切旅客自動車運送事業」と既に記載されています。事業計画等の箇所も「別紙①のとおり」と記載されています。

 申請者の住所は、既存法人の場合は登記簿謄本上の本社所税地を、個人の場合は住民票上の住所を記載します。

 運送業の場合、住所と営業所の位置が同一の場合もありますが、異なるケースも多々ありますので、認可申請書(鏡)には、住所を記載しますので、間違わないことです。

 

2.事業計画等(別紙①)

 事業計画等(別紙①)は、新旧の記載欄がありますが、変更がない場合は、「旧事項」欄に許認可を受けている事項を記載し、「新事項」欄には「旧と同じ」と記載します。

 ⑴営業区域、⑵主たる事務所及び営業所の名称及び位置、⑶営業所ごとに配置する事業用自動車の数、⑷自動車車庫の位置と収容能力、⑸事業用自動車の乗務員の休憩・仮眠施設の名称及び位置の5項目を記載します。

 以下、簡単に説明していきます。

 

⑴ 営業区域

 営業区域は、新の欄には現在の区域と新たに営業区域をしたいと都道府県名を記載します。旧の欄には、許認可を受けている営業区域を記載します。

 例えば、新→大阪府、〇〇県  旧→大阪府と記載します。

 

⑵ 主たる事務所及び営業所の名称及び位置

① 主たる事務所について

 主たる事務所の位置は、住所と同一である必要はありません。通常営業所が1ヵ所の場合は、主たる事務所と営業所は同一ですが、営業所とは別に運送事業の経営管理を行う場所がある場合は、その場所が主たる事務所となります。

 例えば、許可を受けている営業所と主たる事務所が同一の場合は、新の欄は「旧と同じ」と記載し、旧の欄には名称(本社営業所)と位置を記載します。

② 営業所について

 新の欄には、既に許可を受けている本社営業所と、新たに認可を受けたい営業所の名称を記載します。例えば、「〇〇営業所」とかです。

 旧の欄は、既に許可を受けている本社営業所のみの記載になります。

 当然に新たに認可を受けたい営業所の位置は、営業区域内に設置することが必要です。新たな営業所の使用権原を有する書類として、賃貸の場合には、土地・建物について3年以上の使用権原を有するものが必要になります。但し、賃貸借契約期間が3年未満であっても、契約期間満了時に自動的に当該契約が更新されると認められる場合に限っては、使用権原を有するものとみなされます。審査基準の細部取扱に規定されています。自己所有の場合は、登記簿謄本の添付が必要になります。

 

⑶ 営業所ごとに配置する事業用自動車の数

 営業所ごとに、事業用自動車の数及びその種類(道路運送車両法第3条に規定されている自動車の種別)ごとに記載します。

 また、運行管理者は、営業所が運行を管理する事業用自動車の数に30で除して得た数(1未満の端数があるときは、これを切り捨てるものとする)に1を加算して得た数の運行管理者を選任しなければなりません。

 

⑷ 自動車車庫の位置と収容能力

 自動車者の位置は、原則として営業所に併設されていること。但し、併設できない場合は、営業所から直線で2㎞以内の営業区域内にあって、運行管理をはじめとする管理が十分可能であり、営業所と常時密接な連絡ができる設備を有することになっています。

 土地・建物については、営業所のところで記載したとおりです。

 

⑸ 事業用自動車の乗務員の休憩・仮眠施設の名称及び位置

 休憩・仮眠施設の位置は、原則として営業所又は自動車車庫に併設されていること。但し、併設できない場合は、営業所及び自動車車庫のいずれからも直線で2㎞の範囲内にあることです。土地・建物については、営業所のところで記載したとおりです。

 休憩施設は必置ですが、仮眠施設は運行形態より異なります。運行上必要な場合は仮眠施設も必置になります。そうでない場合は、仮眠施設は設けなくてもよいことになっています。

 

 以上、事業計画認可申請書(鏡)と事業計画等(別紙①)について述べました。