気力を絞るという話をしました。人生において気力を絞ることも非常に大事なことですが、「知力を絞る」ことも重要なことだと考えます。知力を絞ることを忘れた時は、気力を絞ったことが無駄に浪費されることになりかねません。
人生を歩んでいく上で、ここ一番という時に気力を絞り頑張ることも大事なことですが、その時に、方向付けを間違えては、無駄な時間に終わります。その時に知力を絞って、よく考えてみてください。方法付けが間違ていないか、無駄な努力になっていないか考えてください。
例えば、仕事で挫折した時に、お客様が求めているのは何かをしっかりと捉えて、努力しないと、徒労に終わってしまいます。よくよく考えてください。私も仕事で失敗し、創意工夫を怠り、お客様からよく怒られたことがあります。
人生はわずか60年、70年、長くとも80年、90年です。この間に、それだけ、この地上の時間というものを生かしきるか、この地上の生命というものを燃やし続けるかということは、非常に大事な観点です。ここに無駄な時間などあってよいはずがありません。
したがって、知力を絞ることは大事なことです。常に、自らの人生を最善とするために、自らの人生をきらめきのなかに置くために、知力を絞ることが大事だと思います。
この知力とは、工夫してやまない精神だと考えます。日々の向上を目指し、日々に工夫を怠らないこと、日々に発見を追い求めること、日々に新発明を行うことでしょう。
個人個人に発見、発明があります。一回の人生で、いかに、より多くの価値を生み出すかは、発見、発明にかかっています。
汗を流すことは尊いかもしれませんが、汗を流すことのみに汲々として、真実、多くの人のために役に立つ生き方をしなかったならば、その人生の大部分は虚しくなっていきます。
気力を持って生きるときに、その気力を知力で磨き、知力で方向付けをしていくということが大事だと思います。虚しいことのために気力を費やすことなく、真実、値打ちのあることのために、真実、多くの人々の幸福のために知力を絞ること、これが何もまして大事です。
そして、この知力とは、前述したように、日々に発見、発明、工夫を続けていくことです。あなた独自の発見が何かあるはずです。人生において、あなた独自の工夫ができないはずがありません。
もし、日々を振り返って、何か充実しないものを感じたならば、それはあなたに対して、「もっと知力を絞れ」というささやきが内面から出ているということだと感じ取ってください。
知力を絞れば、さらに素晴らしい仕事ができるはずです。さらに素晴らしい生活ができるはずです。案外、知力を絞り、創意工夫することを忘れている時が多々ありますので、気をつけてください。