私は、小学4年生の時と中学2年生の時に、「いじめ」の経験をしていますが、それを跳ね返す力を持っていましたので、いじめ問題まで発展しませんでした。

 小学4年生の時に、ウサギやアヒルの世話をする飼育係に任命されました。放課後に、校内にある畜舎の掃除を一人でやっていました。きれいになるまで、一生懸命に取り組んでいました。誰も手伝ってくれませんが、そのお礼にアヒルの卵だけは、家に持って帰っても良いことになっていました。

 ある日、掃除も終え、アヒルの卵二つを大事に持ちながら、家に帰ろうとしている時に、同級生二人に絡まれて、「卵をよこせ」と迫ります。拒み続けると無理やり取り上げようとしたので、けんかになりました。私は悪ガキ二人より強かったので、いじめに合うことなく、無事に帰宅できましたが、卵二つは潰れてしまいました。

 中学2年生の時は、同じクラスの悪ガキ1人が、10人ぐらいの男子に「そこへ並べ」と命じて、1人1人殴っていきました。私も一番最後に立っていました。最初の9人はおとなしく殴られていました。私のところに来た時に、殴ろうとした瞬間に、足払いで悪ガキを倒してしまいました。

 拍手喝采。クラス全員が拍手してくれました。私は、いじめるやつをこらしめる正義感の強い子供でした。それからは、悪ガキもおとなしくなり、いじめもなくなりました。

 私の場合は、けんかもそこそこ強かったので「いじめ」に合うことはありませんでしたが、いじめは、私が子供の時にもありました。

 しかし、今は「いじめ問題」が深刻になっています。学校では、「いじめ」がとても流行っていて、いじめられて自殺する子供まで現れてきています。これは大変な問題です。

 いじめがなぜ悪いことなのか。それが分からない子供たちが増えています。また、大人たちも、明確に「いじめは悪いことだ」と言い出す勇気がなくて困っているようです。

 子供たちは、一種の犯罪者のような心理になっていて、現実にいじめを行っていても、それを調べられると、「いじめていない」と言い張ったりします。いじめられて傷ついた子は、学校に行けなくなって、不登校になり、さらに苦しんでいます。

 本当に悲しむべきことだと思います。やはり、天使のように「人に優しく」「愛を持って」接してください。いじめをする子は、善と悪が、はっきりと分からなくなっているのでしょう。「何が善で、何が悪か」ということについて、学校教育から長らく遠ざけられてきたために、子供たちは、「何が正しくて、何が間違っているか」ということが分からなくなっています。さらには、学校で教えている教師たちも、そういう善悪が分からなくなってきているのではないでしょうか。

「人に優しくしないさい。人を愛しなさい。正しくいきなさい。弱い子をいじめたりしてはいけない」という考え方をしっかりと持ってください。

「あなたは間違っている」「君は間違っている」という気持ちを強く持ち、ときには、それを言葉に出して言わなければいけません。

 また、親や先生にも、いじめの事実をきとんと伝えて、「いじめをやめるべきだ。やめさせるべき」ということを言わなければいけません。

「いじめは悪なんだ」ということを強く思っていなければ、いじめそのものをなくすことはできません。どんな理由をつけても、やはり、いじめは悪であり、してはいけないことです。

 私のように、いじめを跳ね返す力を持つことも大事ですが、それよりも、いじめに対する正しい認識を持ってください。子供達も親達も学校の先生方も、いじめは絶対にいけないという力強い心を持ってください。

 正しい生き方をした人は、天使の世界へと昇っていき、悪い生き方をした人は、悪魔の世界へとお落ちていきます。

 明るく、幸福な、優しい人々で満ちた世界にしていきましょう。そういう人たちの仲間になって天使のように接してください。