ナポレオン・ヒルが成功哲学を説いた時期と現在では、いろんな事業形態とか、仕事の形態等は相当変わっていますが、「心の法則」とか、「心の力」とか、「人間としての考え方・生き方」みたいなものは、今でも通用するところが多くあります。彼は次のようなことを力説しています。
人は「幸福になるか、不幸になるか」を選択できます。だから、その「選択の結果・積み重ね」が、やっぱり、未来の姿になると思います。
ナポレオン・ヒルが、アンドリュー・カーネギーに出会ったときの話です。
学歴もないカーネギーさんが、なんで大富豪になれたのか。彼自身は「自分より優秀な人を使えたからだ」と言っているけれど、実は「魂の力」でしょう。彼の持っている、練り上げたきた「魂の力」というか「心の力」に、大勢の人がリーダーとして仰ぐ、師として仰ぐようなものがあったから、多くの人がついてきたんでしょう。そうでないと、何十万の人を使えるような人にはなれないでしょうね。
だから、「日々、経験するもののなかから、砂金をどうやって選び取っていくか」ということだろうと思います。砂金ではなく、石ころや砂利のほうを選び取っているようだったら、心のなかはもう、「ゴミ捨て場」みたいになっていくでしょう。
しかし、その中から、砂金を選び取っていく。一日のうちにも砂金はあるわけです。一ヵ月すれば、砂金はもっとある。一年すれば、もっとある。その砂金が溜まっていって、それが十年、二十年したら、相当なものになって、やっぱり「金の蓄積」として、富豪のようなものになります。だから、一日のうちの「気づき」の蓄積は大事なことです。
「心がない」と言う方もあるかもしれない。「心っていうのは見えないじゃないか」と。「見えないかもしれないけれど、しかし、心は見えないとしても、気づきはあるでしょう」。
「あなたには気づきがありませんか。一日を振り返ってみて、気づきはありませんか」と。朝から起きて、一日を過ごし、気づくことがあるはずです。
何か「気づき」があれば、あなたがたの人生は今日から変わり始めます。その「気づきの連続」が、大きく自分を変えていくことになるわけです。
この気づきというものを、受け入れることができる器が自分自身にあるということを知ったら、それはあなたが「心」を発見したということになります。
だから、朝から酒を飲んでいる。一日中酒を飲んでいる。あるいは麻薬漬けのような人は、ちょっと無理かもしれないけれど、普通に生きている人であるならば、その「気づき」は、毎日、求めていれば必ず与えられるはずです。
「それを受け取る、受け入れる自分というものが存在する」ということを理解できれば、それは、「あなたに心がある」ということでしょう。そのように考えてもよいと思います。
このように「気づき」は「心の力」になり、その積み重ねこそ、成功哲学の根底にあるのだと、改めて痛感しました。