ここ一番という時にこれだけは自分のものにしたい。ここだけは外せないという時に、気力を振り絞り、頑張ったことがあるのではないでしょうか。また、苦難、困難の際に、気力を絞って、切り抜けた経験も多々あると思います。
私も行政書士の開業当初十年間は、分からないことが多く、ここ一番という時に、何度もくじけそうになったことを覚えています。それでも気力を振り絞りながら、依頼案件を一件一件こなしました。仕事の失敗も多くしましたが、そのたびに自分を励ましなら、それをテコにしながら現在に至っています。
言葉で「気力を絞る」と言っても、現実に気力を出し続けるのは、なかなか難しいことです。
しかし、仕事や人生に勝利するためには、気力を絞り出すべき時に絞り出さなければなりません。そうしなければ、決して勝利が最終的に自らの手のなかに落ちてくることにはならないと思います。仕事や人生の勝利に関しては、気力ということが非常に大事な概念になってきます。鍵だとも言えます。
成功者の共通点は、どの人もどの人も、気力に満ちています。下を向き、目をしょぼつかせ、肩を落とし、そうして成功している人は、どこにもいないでしょう。
気力のある人を見ていますと、いつも決まったパターンが見受けられます。それは、困難に対して強い、艱難に際して強いという特徴です。
いざ、苦難、困難が自らの身に降りかかってきたときに、ここ一番のときに、気力を出せる人間は強いのですが、そうしたときに限って気弱になる人間は、決して成功を手に入れることができないと思います。
平穏無事な毎日、大過なき毎日が過ぎていくときに、人間は気力はなえ、そして、平凡な日々のうちに埋もれていくことが、ままあります。ところが、嵐のごとき事件、台風のごとき事件、こうした、眠りを覚ますような不意の事件が起きたときに、人間は自らの全神経と全筋肉とが、いつになく活性化していることを感じます。
得意先の経営者を見るにつけ、このような経験を一度や二度はされていると思います。その時には、見事に気力を振り絞り、乗り超えていらっしゃいます。
そうです。人間は平凡な日々ではなく、むしろ、そうした逆境のとき、あるいは困難、艱難のときのこそ、燃え立って、魂の炎をきらめかせることが可能です。
気力を振り絞ってこそ、今世の生涯の意味があると思います。気力なくして、人生の真実の意味はありません。人生の真実の値打ちもありません。
ここ一番という時は、気力を振り絞ってください。これが人生に勝利していく一つだと考えます。