昔、友人から講演会のテープを頂戴しました。猛烈に働かれている経営者の話で、年中無休、24時間営業の会社でした。夜中の2時頃に電話があっても、「はい、〇〇でございます」と応対される経営者でした。

 ある意味、経営者になるのであれば、「年中無休」ということは覚悟しなければなりません。勤め人、サラリーマンの場合は、会社が休みのときは休みでもよいですが、社長になるのであれば、もはや、会社や事務所は休みでも、自分は休みではないわけです。

 要するに、会社には行かないとしても、ゴルフをしようが釣りをしようが、その他、ショピングをしていようが、心は常に経営のところにあるわけです。

 あらゆるものが経営のヒントになるので、どんな時間でも経営について考えなければいけないということでしょう。「いつも、未決の問題を頭のどこかに置いておかなければならない」ということです。

 そういう意味で、「休まずに続けることができる」という能力を持っている人が「プロ」であり、「経営者」であるとも言えます。

 しかし、年中「フル回転」して、新聞は読むわ、テレビは観るわ、雑誌は読むわ、本を読むわで、忙しくやっている人の場合、何となく不調になってきて、やる気を起きなくなったりすることもありますが、そういうときは「情報遮断」をすることです。

 たまにしかないとは言え、猛回転しているにもかかわらず、どうも調子が悪く、おかしくなりそうだという場合は、情報遮断をするのがいちばん良いことです。例えば、三日なら三日、長ければ一週間ぐらいでも良いと思いますが、テレビを観たり、新聞を読んだり、週刊誌を読んだり、本を読んだりするのをやめて、情報遮断をすると、いったん頭が「空っぽ」になってきます。そうすると、またもう一段、頭が動き始めるようになります。

 つまり、頭が疲れて、オーバーヒートしているので、そのときは、いったん情報遮断をします。そして、「無駄なニュースは観ない。新聞も雑誌も読まない」というように少し時間を空けると、また、やる気が復活してくるわけです。それほど多くはないでしょうが、そういう場合もあるだろうと思います。

 また、職種にもよりますが、昼間は百本程度の電話や数回の打ち合わせ等で、頭も体もヘトヘトになっているにも関わらず、毎晩、遅くまで働いている経営者もいらっしゃいます。

 毎日、猛烈に働いていらっしゃる経営者には、何も考えずに、最低一日ぐらい、ゆっくりとした時間を過ごしてください。ご自分の健康維持も考慮に入れて、頭も体も休めてください。やはり、休みときに休まないと、体を害することがありますので、休息も仕事のうちと割り切ってください。

 それが新しいアイデアを生むヒントになったり、会社全体に良い影響を与えることになり、違う意味での繁栄発展の一つかも知れません。