A社長から教えて頂いたことですが、四十年以上前のお話です。
次のような内容でした。
一つ目は、「はっきりした人生目標、仕事目標を固めよ」です。
繰り返し刻印される内容は、自己の潜在意識まで支配し、また、周りの人々へも想念として発信されます。はっきりとした明確な目標を立てること。収入目標であってもよいです。期限を決めるともっと良いです。例えば四五歳までに部長になるとか。三年以内に売上高の一割の税引前利益のある会社にするとかです。
人生の目標と仕事の目標を紙に書いてみます。経営コンサルタントの一倉定先生の言葉ですが、「目標があると努力する」ということですね。
二つ目は、「マイナスの暗い自己イメージは、見つけ次第たたき出せ」です。
自尊心を傷つけたり、やる気をそいだり、人間としての魅力をそこねるのは、主として、弱気、劣等感、過去の失敗、ダメ人間として自己イメージなどです。いくら拘っても、マイナスの結果しか出ないなら、カラッと忘れ去り、捨てることです。マイナス感情は、マイナスの物事を引き寄せるだけです。
三つ目は、「すでに成功者であるが如くふるまえ。態度が中身を変えるのだ」です。
米国のレーガン元大統領は俳優でした。大統領の役柄を演じ切ったら、大きな業績を上げました。悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ。うそだと思ったら、笑いながら悲しんでみるがよい。できはしません。まず成功者を演じ切れ。周りも信じ、自分も信じるようになります。すると、なすべきことが分かってきます。
まず器の大きさを決めなくては、酒(成功)の量は決まりません。アメリカの心理学者、ウイリアム・ジェームズも、態度が精神状態を決定することを断定しています。
四つ目は、「私は、必ずやりとげることができると信じることが成功への出発点だ」です。
「やりとげることができる」という肯定的信念を繰り返して潜在意識にインプットすることです。自信に満ち溢れてくるでしょう。そういう人物が成功者となります。
五つ目は、「逆境こそ、人生の教師、発奮のためのバネだと考えよ」です。
逆境を糧としないで成功した人は少ない。チャレンジし続ける限り失敗はあります。要はその失敗から、成功の種子をつかみとることです。貧しさも、学歴がないことも、体が弱いことも、あらゆるコンプレックスも、「必要は発明の母」という光明思念には勝てません。
六つ目は、「未来に対する恐怖心を捨てよ。未来は常に明るいと信じよ」です。
優柔不断、グズグズする性格、ビクビクする心、また失敗しやしないかと不安がる心。いずれも成功には、ほど遠い心です。自分は神の子、仏の子だ。どうってことはない。勇気を持って血路を切り開けということです。
七つ目は、「お金ではなく、多くの人々を幸福にすることを目的にすると、富は無限に流入する」です。
お金そのものを人生の目的にした人物には、徳の香りがしません。また、人々が尊敬しません。常に人々の必要を満たすこと、人々の浴するものを誠心誠意提供し続ける人こそ、結果的に成功し、経済的にも豊かになる人です。まず与えよ。さすれば与えられん。
収入が十倍になったら、自分は何をするか、どう行動するか。常日頃から考え続ける。常々考え続けていると、実現してきます。現実に自分のもとなって、収入が十倍になってきます。
八つ目は、「成功し、なおかつ、謙虚であれば、人望を得ることができる。そして、明日の協力者が生まれる」です。
小さな成功をし、すぐに慢心して天狗になる人は、そこが天井です。大きな成功をする人は、無心に研究し、無欲にも見える努力を重ねるものです。その謙虚に努力する姿を見て、明日の協力者が出てきます。未だかつて、人々の協力を得ずして偉大な成功が世に認められたためしはありません。
九つ目は、「無駄なことに時間を浪費するな。最重要事に惜しみなく時間を投入せよ」です。
時は金なりです。いや、ある意味で、時間はお金以上に貴重で有限な資源です。成功したいなら、「よく捨てる」覚悟がいります。時間の無駄、勉強の無駄、仕事の無駄、経費の無駄、心労の無駄。削ることが、また、偉大な生産性を産み、付加価値を高めることもあります。
最後は、「経済的に豊かになることと、幸福な家庭を築くこととを、両立させて、強く心にイメージせよ」です。
経済的に豊かになることを目指して働き詰めで、お金は貯まったが、健康を害したり、家庭が崩壊したりする人も多いです。人がお金を支配するのであって、お金に人が支配されてはなりません。常に幸福な家庭生活と両立する豊かさをイメージしておくことです。両立しなければ、己の分を知ることも大切なことです。
何と力強い言葉でしょう。素晴らしいアドバイスを頂戴しましたが、私自身はどれ一つとして達成していません。四十年間、努力が足りなかったことに尽きます。貴重な人生訓を教えて頂いても、日々の実践と努力がなければ、絵に書いた餅に過ぎません。やはり、謙虚に感謝を忘れず、努力精進を続ける人に成功と幸福が訪れます。期待しております。






































