「土地が急に十倍に値上がりした」「マッションが値上がりした」「株が十倍、百倍に値上がりして、ぼろ儲けをした」などということもあるでしょう。人生の局面としては、そういうこともあってよいと思います。ただ、傾向性として、それに馴染んでしまった場合には、破滅がやってくることは時間の問題だと考えください。
なぜなら、そういうことは、一過性のものであり、長続きするものではないからです。必ず揺り戻しが来ます。生活の基本方針、人生の基本方針に入れるべきものではありません。そのお金は、あくまでも臨時の収入として考えるべきであり、「ないもの」として扱わなければいけません。
宝くじに当たっても、「これは収入ではない」と思って、別計上にしていおくことです。そして、何か緊急のものに使ったり、寄付をしたりします。そういう形で将来のために、福を蓄えたり、投資することや、他の人に福を分け与えたりするのは良いことですが、そのお金を生活費のレベルに入れてしまうと、終わりになります。
このように、お金の面で人生を誤らないようにしてください。
逆に言えば、せっせと勤勉に働いてお金を貯めている人は、ある意味で偉いと思います。それは、「自分の努力の成果として得た収入で貯蓄が増えている」ということだからです。
この意味で資本主義を肯定しないと、人間は努力をしなくなります。
努力しなくても入ってくるお金としては、遺産や保険金、宝くじの賞金のほかに、政府の補助金や税金面での優遇措置などがあります。
補助金で食べている人や、必要でもない事業のために支出された公金で食べている人もいますが、そういうものに、どっぷりと浸かっていると、魂まで腐ってしまいます。それは、ほんとうに危ないことです。そうならないように気をつけてください。
現在、そういうもので食べているならば、その状態は長くは続かないと思ってよいでしょう。やはり、まっとうに仕事をし、その対価として収入をあげていく道を選ぶべきです。
それは天の心にも敵うことです。「きっちりと働いて、それ相応の報酬を頂く」という姿勢が大切です。もちろん、働いた分の十倍も百倍ももらうのはいけませんが、「相応のものをもらう」という姿勢であれば、間違いは少なく、世の中も発展していきます。
不正なお金や、自分の努力に起因しない大金に喜ばないことが大事であり、そういうものに対しては、むしろ気を引き締めなければいけません。
人生を狂わせないためには、「きちんと働いて蓄財するのはよいことだ」という考え方が必要だと思います。