1.概略

顧客の将来を見据えた信託契約書(案)が出来上がり、信託口口座を開設する予定の銀行で、信託契約書(案)のチェックを受けた後、公証役場で信託契約書を公正証書にします。これで正式に委託者と受託者の間で信託契約がスタートします。その後、信託口口座の開設と同時に、信託財産に不動産がある場合は、司法書士さんに依頼をかけ、信託登記を進めていきます。

事前に信託登記に詳しい司法書士さんに連絡をとり、信託契約書の公正証書の正本(写)、委託者の印鑑証明書、受託者の住民票、信託財産である不動産謄本、固定資産評価証明書などの関係資料を見てもらいます。

後日、委託者と受託者が司法書士さんの事務所に出向き、信託登記に必要な書類に署名押印をします。委託者は実印、受託者は認印を押印します。その際に重要な事は、司法書士さんが、委託者と受託者の意思確認をされます。

信託登記が完了しますと、不動産謄本の甲区欄に、登記目的が「信託」、信託目録第〇号となり、信託目録が別紙の形で記載されます。

 

2.信託目録に記載される事項

⑴ 委託者に関する事項

法定記載事項です。委託者の住所氏名が記載されます。

⑵ 受託者に関する事項

法定記載事項です。受託者の住所氏名が記載されます。

⑶ 受益者に関する事項等

法定記載事項です。受益者の住所氏名が記載されます。

⑷ その他の信託条項

①信託の目的、②信託財産の管理方法、③信託終了の事由は法定記載事項ですが、④その他の信託条項については、記載内容が法定されておらず、司法書士さん、委託者、受託者で相談して決めます。一般的には、信託契約書の中から重要な事項を選んで記載します。