民事信託は、信託銀行が行う商事信託とは異なります。

信託銀行や信託会社がする信託は、商売で行う信託ですから「商事信託」といいます。一方、信託銀行等を通さず、個人や一般の法人を使ってする信託は、民間でする信託という意味で「民事信託」といいます。また、一般的には「家族信託」とも言われています。

ゆえに、民事信託は、信託銀行や信託会社を通さずにできる信託です。但し、金銭を信託する場合は、信託専用の口座を開設しなければなりません。これを信託口口座といいます。信託口口座に関しては、該当記事を参考になさってください。この信託口口座の開設は、信託銀行で信託専用の口座を開設するだけの手続に過ぎませんので、民事信託は、信託銀行や信託会社が行う商事信託と異なります。

商事信託は商売ですので当然に信託報酬が発生しますが、民事信託は商事信託と異なり、信託報酬を無報酬とすることも可能です。家族間でされる民事信託の場合は、受託者の報酬を無報酬とされる場合が多いです。もっとも、収益不動産がある場合には、一定額の信託報酬を設定される場合もあります。信託内容により様々です。

民事信託は、手軽に家族間で出来る信託です。しかし、信託契約を結ばれる時は、事前に専門家に相談なさってください。