1.機関設計について

会社を設立する場合、機関設計を考える必要があります。

機関設計とは、取締役会を設置する会社にするか、監査役を置く会社にするか、という選択ができるわけです。一番シンプルな機関設計が代表取締役一人の会社です。

建設業を営む場合は、次なる「経営管理責任者」を育てる意味でも、取締役は最低二人ほしいところです。

 

2.取締役会設置法人にしない

取締役会を設置する場合は、最低三名以上の取締役が必要になります。会社を設立する時に、最初から「取締役会」を定める会社を作ることも可能ですが、スタート時は、取締役会を定めない会社をお勧めします。その理由は、一旦、「取締役会設置法人」にしますと、常時三人以上の取締役が必要であり、退任や辞任で欠員が出た場合に補充しなければなりません。もし、その補充候補がなくて取締役が二名になった時に、「取締役会設置法人」を廃止しなければなりません。その時に余分に印紙代3万円がかかります。通常の取締役の変更なら1万円で済むところ、取締役会設置法人の廃止3万円+1万円=4万円かかることになります。

それならば最初から取締役設置法人にしなくて、会社を設立したほうが良いと考えます。また、取締役会設置法人にしなくても、取締役を三名でも五名でも出来ます。

また、会社法で定める取締役会を開く必要もありません。社長が自由奔放に経営できる会社が、中小零細企業には望ましいと思います。

 

3.監査役設置法人にしない

会社設立する時に、監査役を置いても、置かなくても自由です。監査役も取締役会設置法人と同じで、一旦、監査役を置いて「監査役設置法人」で設立しますと、それを廃止する時に3万円の印紙代が余分にかかりますので、あまりお勧めではありません。

 

4.お勧めプラン

取締役二名か三名の会社設立がお勧めです。取締役二名は最低必要です。建設業の場合は、次なる「経営管理責任者」を育てる意味でも、取締役は最低二名か三名ほしいところです。

 

5.資本金をいくらにすれば良いか

会社法では、1万円でも会社は設立することが出来ます。しかし、建設業許可の申請時に500万円以上の財産要件が必要になりますので、会社の資本金は500万円以上1,000万円未満になさってください。

 

6.決算月について

消費税のことも考えて、設立1期目は7ヶ月未満になるような、決算月を設定なさってください。

 

◎ 社会保険・雇用保険に加入のこと

すでにご存じのことと思いますが、兵庫県と奈良県では、法人の場合、社会保険に加入しないと、建設業許可の申請ができません。大阪府の場合は、まだ流動的に取り扱っていますが、いずれ社会保険に加入しないと建設業の許可申請ができなくなります。

社会保険を超える会社、税金を超える会社を目指してください。

 

◎ 建設業の事務所について

建設業の事務所は、経営管理者や専任技術者が常駐している場所であり、見積りや注文書、請負契約を交わす場所ですので、重要な許可要件になります。

主たる事務所の確認が出来なくて、許可の取消しになっている建設業者が増えています。