許可の種類には、一式工事である「建築一式工事」と「土木一式工事」があり、専門工事には電気工事など27業種あります。それぞれの内容や一式工事の許可を得ている場合に、どのような工事を請け負えるかについては、次のとおりです。

 

1.一式工事とは

一式工事は、総合的な企画、指導及び調整の下に土木工作物又は建築物を建設する工事です。建築一式工事と土木一式工事があります。

また、複数の専門工事の組み合わせで構成される工事も、一式工事の範疇に含みます。さらには、単一の専門工事であっても、工事の規模、複雑性等からみて個別の専門工事として施工することが困難なものも含まれます。

 

2.専門工事とは

専門工事は、左官工事、屋根工事、塗装工事等のように、工事内容の専門性に着目して区分された個別の工事種類で、一式工事とみられる大規模、複雑な工事等を除いたものです。

 

3.専門工事と一式工事の許可

必要な許可の業種は、請負契約の内容により判断されます。許可を必要としない「軽微な建設工事」を除いて、個別の専門工事の請負であれば、その工事に対応する専門工事の許可が必要であり、一式工事の許可では請け負うことができません。

例えば、建築一式工事の許可を得ている建設業者が、屋根の吹替工事を請け負うことはできません。その場合は、屋根工事業の許可が必要になります。一式工事の許可を得ているので、屋根工事も請け負うことができると勘違いされやすいが、複数工事等の一式工事でない限り、それぞれの専門工事の許可が必要になります。

なお、一式工事を請け負った場合には、通常、一式工事の内容に個別の専門工事が含まれていますが、その施工にあたっては、それぞれの専門工事に対応した技術者の配置が必要になります。または、専門技術者を置くことことができない場合は、専門工事業の許可業者に下請させる必要があります。