運輸開始後に運転日報等々の書類を作成しなければなりません。
「帳票関係書類一覧表」を参考になさってください。また、「運輸安全マネジメントの実施は適正か」の項目もありますので、「運輸安全マネジメントについて」も参考になさってください。
巡回指導が終われば、ランク付されます。Aは90点以上、Bは80~89点、Cは70~79点、Dは60~69点、Eは60点未満の5段階評価になります。
◎ 帳票類の整備、報告等
1.事故記録が適正に記録され、保存されているか。
2.自動車事故報告書を提出しているか。
3.運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか。
4.車両台帳が整備され、適正に記入等されているか。
5.事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。
⑴ 事業報告書は、毎年、決算月から100日以内に運輸支局へ提出します。
⑵ 事業実績報告書は、4月から3月までの事業実績を毎年7月10日までに、運輸支
局に提出します。
◎ 運行管理等
1.運行管理規程が定められているか。
2.運行管理者が選任され、届出されているか。
3.運行管理者に所定の講習を受けさせているか。
※自動車事故対策機構(NASVA)が主催する運行管理者の講習には、「基礎講習」「一般講習」「特別講習」の3種類があります。どの講習を受けるかは、安全規則に定められていて、4つのパターンがあります。
受講のパターン |
講習の種類 |
受講時期 |
重大事故または行政処分があったとき |
特別講習 |
運輸局からに通知の記載期限内 |
新たに運行管理者として選任されたとき |
一般講習 |
選任届出された日の属する年度内 |
運行管理者として継続して仕事をしているとき |
一般講習 |
一年度おきに一回(2年度毎) |
重大事故または行政処分があった営業所で特別講習に指名されなかった運行管理者 |
一般講習 |
2年度連続 |
重大事故等がない一般的な場合は、まず、運行管理者に選任された日の属する年度内に、一般講習を受講しなければなりません。例えば、令和3年9月1日に選任されたら、翌年の令和4年3月末までに、一般講習を受講しなければなりません。その後は、2年に1回の一般講習を受講しなければなりません。
以上が一般的な場合ですが、重大事故等があれば、別途、特別講習を受けなければなりません。
4.事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか。
5.過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩
時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。
6.過積載による運送を行っていないか。
7.点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
8.乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。
休憩時間、場所、積載状況
9.運転記録計による記録及びその保存・活用は適正か。
10.運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。
11.乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
12.特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
(事故歴把握・初任・高齢・事故惹起(じゃっき))※添乗指導、高齢者教育など
13.特定の運転者に対して適正診断を受けさせているか。(初任・適齢・特定Ⅰ・特定Ⅱ)
◎ 車両管理等
1.整備管理規程が定められているか。
2.整備管理者が選任され、届出されているか。
3.整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
※整備管理者選任後の研修を受講しなければなりません。
・「整備管理者として新たに選任した者」とは、当該事業者において整備管理者として初めて選任された者のことをいい、当該事業者において、過去に整備管理者として選任されていた者や他の使用の本拠の位置で選任されていた者は、これに該当しません。なお、整備管理者として新たに選任した者には、選任した日の属する年度の翌年度の末日までに研修を受講しなければなりません。 ・「最後に当該研修を受けた日の属する年度の翌年度の末日を経過した者」については、最後に当該研修を受けた日の属する年度の翌々年度の末日までに研修を受講しなければなりません。つまり、2年度に1回受講してください。 |
4.日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。
5.定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等
が保存されているか。(3ヵ月・車検)
◎ 労基法等
1.就業規則が制定され、届出されているか。
従業員が10名未満の場合は不要ですが、超えている場合は作成のこと。
2.36協定が締結され、届出されているか。
3.労働時間、休日労働について違法性はないか。(運転時間を除く)
4.所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。(重点項目)
◎ 法定福利
1.労災保険・雇用保険に加入しているか。
2.健康保険・厚生年金保険に加入しているか。
◎ 運輸安全マネジメント
運輸安全マネジメントの実施は適正か。
運輸安全マネジメントは義務付けされていますので、早いうちに取り込んでください。 実施方法については、国土交通省から発表されている「運輸安全マネジメントの取り組みについて」の冊子を活用してください。
◎ 事業計画等
初めての巡回指導時には、大半の項目は関係がないと思いますが、尋ねられる場合もありますので、参考のために書いておきます。
1.主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。
主たる事務所とは、法人の場合、履歴事項証明書に記載されている本店所在地のことです。現実に運輸業務をされる本店営業所とは異なります。つまり、登記上の本店所在地と本店営業所は必ずしも同一とは限りません。もちろん、大半は同一の会社が多いですが、異なる場合もあります。貨物運送業の場合は、登記上の本店所在地よりも、本店営業所である事務所や休憩施設が重要になります。
2.営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
3.自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。
4.乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
5.乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。
6.届出事項に変更はないか。
(役員・社員、特定事業者に係る運送の需要者の名称変更等)
7.自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか。
8.名義貸し、事業の貸渡し等はないか。