一般貨物運送の新規許可後に、必ず受診しなければならない適性診断について説明していきます。また、選任する運転者の中には、3年前以内に他の運送会社で、初任診断や適齢診断(65歳以上)や特別診断を受診している場合には、新規許可後の運送会社での適性診断の有無についても説明いきます。

 結論から言いますと、他社で受けた適性診断が有効な種類・受診時期であり、その受診記録を確認できる場合は、新会社で同じ診断をもう一度受ける必要はないと考えられます。

 ただし、会社が変わったことだけで免除されるわけではなく、診断の種類・受診日・運転者の状況を確認して判断します。

 

1.新規許可後に必ず全員が受ける診断について

 新規許可を取得したからといって、選任する運転者全員に一律で適性診断を受診させる制度ではありません。

 受診義務が生じるのは、主に次の運転者です。

 初めて事業用自動車の運転者として選任される者は、初任診断を受診します。65歳以上の者は適齢診断を受診します。死亡または重傷事故等を起こした者は、特定診断ⅠまたはⅡを受診します。

 したがって、新規許可後に必要なのは、選任する運転者がこれらの対象者に該当するかを確認し、該当する場合に受診させることになります。

 なお、適性診断とは別に、初任運転者・事故惹起運転者については、法令上の特別な指導も必要です。適性診断を受けていても、特別な指導が不要になるわけではありません。

 

2.他社で受診済みの場合

⑴ 初任診断

 他の運送会社で初任診断を受診済みで、その後、事業用自動車の運転者として継続して勤務している者であれば、通常は、新会社で改めて初任診断を受ける必要はありません。

 ただし、次の点に注意が必要です。

 受診日を確認できること。初任診断であることを確認できること。その後に事業用自動車の運転者でなくなった期間等がないか確認すること。前職で受けた診断結果または受診証明を保管すること。

 特に、「3年以内に受けているか」だけで判断するのではなく、初任診断の対象者として既に受診済みかを確認することが重要です。初任診断は、適齢診断のように単純な3年周期の診断ではありません。

 

⑵ 適齢診断

 65歳以上の運転者が、他社で適齢診断を受診しており、まだ次回受診期限内であれば、新会社で再受診する必要は通常ありません。

 適齢診断は、一般に65歳に達した後、3年以内ごとに受診させるものです。

 例えば、前職で2024年6月に適齢診断を受診、新会社で2026年4月に選任という場合、次回期限内であれば、受診記録を確認して新会社での再受診は不要と考えられます。

 ただし、受診日だけでなく、次回受診期限を確認してください。受診機関や診断結果の書面に期限が明確に記載されていない場合は、受診日から3年以内ごとと考えて管理します。

 

⑶ 特定診断Ⅰ・Ⅱ

 事故惹起運転者として、他社で特定診断ⅠまたはⅡを受診済みであっても、単に3年以内だから自動的に不要になるという整理は危険です。

 特定診断は、事故の内容や再乗務との関係で実施されるものです。そのため、少なくとも、どの事故を理由に受診したか。特定診断Ⅰ・Ⅱのどちらを受診したか。受診日などの確認が必要になってきます。