平成16年4月1日から新しい審査基準が設けられ、3種類に区分されました。

いわゆる「タクシー・ハイヤー事業」も「福祉・介護タクシー」も、16年3月までは道路運送法第4条をベイスに審査が進められてきました。審査基準も1種類でした。タクシー・ハイヤー事業のことを法律用語で「一般乗用旅客自動車運送事業」といいます。しかし、福祉・介護タクシーは、本来のタクシー・ハイヤー事業に馴染まない部分が多く、今回の公示で審査基準を3種類に分け、近畿運輸局の審査がスタート。但し、法律の改正までには至っていません。いずれ別途に整備される可能性があります。なぜならば、一般タクシーと同じ法律では矛盾が多すぎるからです。現時点では、新規許可に関してのみ審査基準を設けただけであり、法律のしばり等は同じ適用下にあります。4条は一般乗用(法人タクシーと福祉タクシー)。

43条は特定乗用(介護タクシー)です。

3種類の審査基準は、

①「タクシー・ハイヤー事業」は変更がなく従来どおり。

②「福祉輸送事業(福祉タクシー)」も4条がベイスですが、車種などが限定されるので、新規許可に限り新たな審査基準ができました。①も②も不特定の方を対象にするので、一般乗用になります。福祉タクシーの合併、分割、営業譲渡は従来どおり。

③「介護保険法の介護事業者がする輸送(介護タクシー)」が、一般乗用から特定乗用に変わりました。43条の特定乗用は従来からあります。例えば、工場に勤務される従業員さんの最寄り駅と工場までの往復輸送に代表されるものです。

特定乗用とは、単一・単体・目的が同じものという、明確な指針が出されて、「介護保険法の介護事業の指定を受けている介護サービス事業者が行う輸送」は、単一・単体ではないが、目的が同じ「介護保険適用者」という考えかたで、一般乗用から外れ特定乗用になり、新規許可に限り新たな審査基準が設けられました。合併、分割、営業譲渡の場合は、従来の基準が適用されます。表にまとめると。

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一般乗用(法人タクシー) 審査基準(従来) 4条(新規・合併・分割・営業譲渡も同じ扱い)

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一般乗用(福祉タクシー) 新たな審査基準  4条(新規許可のみ・合併等は従来どおり)

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特定乗用(介護タクシー) 新たな審査基準  43条(新規許可のみ・合併等は従来どおり)

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(注)① 合併・分割・営業譲渡の審査基準は、従来どおり1種類。

② 介護タクシーの新規許可は、「開始に要する資金」「法令試験」はない。

③ 介護タクシーの合併・分割・営業譲渡は、資金も試験も求められる。