医師である昇幹夫氏の「笑いは心と脳の処方せん(二見書房)」からのお話です。

「からだにいいことしてますか? からだにいい人持っていますか?」

「話を聞いていて楽しくなる人と、何だかとても疲れる人がいるでしょう。そばにいるだけで楽しくなる人が、あなたにとってからだにいい人ですし、気疲れする人は、からだに悪い人ということです」という文章で始まります。

「人間関係をスムーズにする最良の方法は、スマイル・コミュニケーションです。笑顔こそ、どんな世界でも通用する公用語なんですね」とおっしゃいます。

 プロローグで、「やなせたかし」さんの詩を紹介されています。良い詩なので長くなりますが引用させていただきました。

 

    ぼくの生き方     やなせたかし

 

  ひとは何のために生まれたか

  ひとはひとをよろこばせるために生まれた

  なぜなら、この世はさびしくてつらい

  人生はとても早く過ぎる

  今日の紅顔 明日は白骨

  それならば、なるべく楽しく生きたい

  ひとの最大のよろこびは、ひとをよろこばせること

  なぐさめあって生きていくこと

  喧嘩なんかはとんでもない

  それは人生の無駄づかい

  と、ぼくは思ったが

  よろこばせるのが むつかしい

  美しく生まれたひとは それだけでひとがよろこぶ

  歌のうまい人は、歌えばよろこぶ

  ぼくは みかけもよくない うーん 残念!

  才能もない

  大芸術家にはなれない

  政治家も無理

  学者になるには勉強が不足

  考えあぐねて ぼくは絵本や童話や漫画をかいた

  それでもひどく下手くそで

  面白いですか よろこんでくれますか

  ただそれだけでかき続けた

  日暮れてはるかに道は遠いが

  好きな仕事をしているから

  ぼくは毎日うれしかった

  苦しむことがよろこびだった

  たったひとりのひとでもいい

  それから さんにん また よにん

  すこしずつ よろこぶひとを ふやす

  それがぼくの生き方で

  巨匠や名人にはとてもなれない なりたくもない

  非凡なひとではないのだから

  あんまり 大それた願いはぼくにはむかない

  もしも あなたがここまで読んで

  ひどくがっかりしたとすれば

  心の底から ぼくはあやまる

 

 作者はとっても好きな詩と書かれています。私もこの詩が大好きです。

 人は何のために生きるのか。わかりやすい答えを教えてくれますね。

 

「笑うこと、それは健康を増進させ、老化を遅らせ、寿命をのばし、老後の活性を高め、そしてガンの予防にもなるってことを知っていましたか?」とも書かれています。

 ところで、著者の「昇幹夫」氏は、日本笑い学会の副会長をされています。この書籍で「日本笑い学会」を知り、誰でも入会できるので、さっそく入会手続をしました。HPから簡単に入会できます。

 以前から笑いが健康に良いことを知っていましたし、多少なり「健康の応援歌」も綴っていますので、会員になって、もっと笑いについて知りたいと思いました。会員数が千人と書かれていますので、いろんな方と知り合いになれると思います。

 最後に「商売は笑売」という箇所で、次のように書かれています。

「あるパリの料理店では、仕事の開始前に、接客係は全員必ず鏡の前に立って、繰り返し笑顔のトレーニングをします。料理の勉強に来ていた日本人がそのわけを尋ねると」

「笑顔がお客様を呼び、成功を招くのさ。どんなにここの料理がおいしくても、店にスマイルがなければ味は半減してしまうものだよ」と書かれています。

 おいしい料理でも、お店の対応で、おいしさが半減しますね。全く同感です。