財務会計は、株主や債権者、銀行、税務署等の外部に提出するために作成する貸借対照表や損益計算書などのことです。
もちろん財務会計も重要ですが、中小零細企業の社長は「管理会計」に強くなってください。
管理会計とは、文字どおり、管理に使う会社内部の様々な資料です。外部に報告するものではありません。一部、原価計算書は、財務会計と管理会計の両方の分野に位置されますが、ここでは省略します。
例えば、自社の限界利益率や労働分配率がいくらになっているか、社長自ら知ることが非常に大事なことです。会社にお金を貯める経営を実践していくには、これらの数字に目を向けましょう。よく数字から逃げる社長がいますが、そういう会社は、会社や社長個人にお金を貯めることができません。数字に弱いために人情で流される経営をされている社長は、社長失格であり、社長の体質が自社に反映していますので、勇断をもって改革なさってください。
限界利益や労働分配率を勉強されて、素直にその数値に基づいて経営改善されることが、会社に資金を貯め、余裕の持った経営が出来るようになっていきます。
よく人材と言いますが、人材もいろいろです。材料のような人材、ただいるだけの人在、用済みの人済、在籍すればするほど会社を悪くする人罪、逆に会社に貢献する宝の人財。この「人財」を創っていくために、限界利益率や労働分配率を使って、燃える会社やお金が貯まる会社にしていきましょう。
労働分配率(%)は、人件費を付加価値額で割ったものです。人件費÷付加価値額=労働分配率になります。
人件費は、役員報酬や給料、賞与だけではありません。社会保険料、雇用保険料、労災保険料、忘年会の費用などの福利厚生費も入ります。
付加価値額は、らんぼうですが粗利益(売上総利益)です。
毎月、労働分配率を把握されて、給料や賞与を決めてください。個人別の労働分配率を出し、会社にお金が貯まる経営に切替えていってください。
利益率がアップするような簡易な資料を作成され、お金を貯める会社に変身なさってください。立派な資料は不要です。簡単に限界利益率や労働分配率が分かる資料を創り、それに基づいた経営を実践されることです。
社長が数字に強くなり、燃える会社に切替えていきましょう。