指名競争入札には、指名基準と運用基準があります。きょうは、指名基準の話をします。

指名基準とは、有資格業者の中から指名競争入札に参加する者を選定する基準のことで、各発注者によっても、許可業種によっても異なります。たとえば、都道府県の工事では「Aランク」だからといっても、国の工事でも「Aランク」とは限りません。

建設企業の資格等級(格付)と工事等級は(発注標準)は対応するようになっており、公共工事はこの原則に基づいて発注されます。この原則は等級別発注の原則と呼ばれ、指名基準に反映されています。

すなわち、Aランクの工事(発注予定金額が高額な工事)については、Aランクの有資格業者の中から指名業者が選ばれ、Cラククの工事については、Cラクンクの有資格業者の中から指名業者が選ばれるということです。発注しようとする工事の等級と指名しようとする業者の等級を同じにすることで、工事の規模や難易度と指名業者の経営力や技術力とが釣り合うようになっています。

等級別発注の原則には例外も設けられていることがあり、代表的なものは次のとおりです。

① 発注予定工事の等級に属する有資格業者が少ないときは、上位または下位の等級に属する業者を指名することが可能

② 等級が下位の小規模工事であっても、高度な技術が要求されるときは、2等級以上上位の業者を選ぶことが可能

③ 災害復旧工事など緊急を要する場合には、2等級以上上位の業者を選ぶことが可能

④ 工事成績が特に優秀な業者については、2等級上位の工事に指名できる