総会屋対策費も経費に計上できます。法人税基本通達61の4には、「いわゆる総会屋対策等のために支出する費用で総会屋等に対して会費、賛助金、広告料、購買料等の名目で支出する金品に係るもの」は、交際費に計上しなくてはならない、となっています。つまり税務当局は、総会屋対策費の経費計上を認めています。

税務当局は、なぜこんな通達を出しているのでしょうか。それは、総会屋対策費の殆どは、「総会屋対策費」と明記されているわけではありません。総会屋対策費の表向きは、普通の経費となっています。例えば、新聞購読料であったり、広告料であったりするわけです。もちろん、それはきちんとした新聞購読などではなく、ちゃちな会報に法外な代金を出したり、殆ど効果のない広告に多額の料金を払ったりしているわけです。

税務署としては、これをそのまま認めるわけにはいきません。しかし、企業が費用として支出している事実はあるわけです。それで、どう処理すれば良いか。考えた結果、交際費にしてしまおう、となったわけです。交際費には限度計算があって、ある程度、税金がとれるので、わざわざ「交際費にしなさい」ということにしているのです。

ただ、総会屋対策費も、商法で厳重に規制されている上、これが発覚すれば、企業イメージも大きく損なわれるので、談合金と同じように裏金で処理しているか、新聞購読料などの他の項目で計上しているのです。税務署がそれを見つけたときに、「これは新聞購読料ではなく、交際費に該当しますよ」といって、修正させるわけです。