1.建設業法でいう「元請」と「下請」の意味は、建設工事にかかる「元請」「下請」であり、基本的には、建設業の許可業者が前提にあり、その意味で元請、下請と理解します。

2.当然に無許可で、元請工事を受注すれば業法違反になります。また、無許可で元請し、許可のある下請会社に下請に出す行為も業法違反です。この場合、仕事を受けた元請会社も下請をした下請会社も、両者とも建設業法違反である。

3.たとえば、

遺跡発掘調査は、通常「業務委託」という形で、役所が入札参加者に発注します。よって、業務委託だから建設業の許可は不要です。

目的が調査業務であるから建設業ではありません。あくまでも役所は、遺跡の調査を業者に委託するのであって、目的は調査業務で建設工事ではありません。調査に伴う遺跡の掘削工事が発生するが、それは付随業務です。ゆえに、建設工事の発注ではなく、役所→調査業者(コンサル等)の間には、建設業法が適用されないことになります。

その調査業者が遺跡の掘削部分のみを掘削業者の建設会社に委託します。ここからが建設業法の適用になり、「調査業者→掘削会社(建設会社)」の関係は、建設業でいうところの、発注者と元請業者になります。

つまり、調査業者は元請ではなく、掘削会社が元請になります。

役所 → 業務委託(調査会社)→ 掘削会社(元請)